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新学期の子どもの自殺、危険なサインとは?

2017年9月4日 18:51
新学期の子どもの自殺、危険なサインとは?

 9月に入り、学校では新学期が始まった。内閣府によると、9月1日前後は友達と再会するのが苦痛だったり、夏休みの宿題ができていないなどの理由から、学校に行きたくなくて自殺をする子どもが多く“9月1日問題”と呼ばれている。自殺を防ぐには子どもたちとどう向き合えばよいのだろうか。

 東京YMCAが運営する施設「liby」では、主に不登校の子どもを受け入れている。ここでは、10~30代の若者がゲームなどをして楽しんでいる。取材した日は9月1日。学校もすでに始まっているが、中学生の姿があった。

 ここには、子どもだけではなく、仕事に行くのがつらいと感じる人なども訪れる。この日は10~30代まで10人がいた。中には、中学時代に不登校を経験し、今も施設に通っている人もいる。

 男子大学生(23)「学級委員長をやらされることになって、責任を押しつけられるようになって、そこから学校に行きづらくなって」

 当時、ストレスから過敏性腸症候群を発症。同級生に体調不良を理解されず、成績も下がって不登校になったという。ただ、ここに通うことで人との向き合い方を学んだという。

 子どもの自殺が多い“9月1日問題”をどう思うのかスタッフに聞いてみた。

 小宮さん「本当にツライ時は逃げていいんじゃないかと思っています」

 学校に行きたくない子どもに向けてこのような取り組みもある。先月30日、上野動物園は公式ツイッターで「アメリカバクは敵から逃げる時は、一目散に水の中へ飛び込みます。逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい。もし逃げ場所がなければ、動物園にいらっしゃい」と投稿。このツイートは現在約8万リツイートと拡散を続けている。

 では、子どもたちのSOSを見つけるにはどうすればよいのだろうか。スクールカウンセラーの柴田さんはこう話す。

 「周りの大人がささいな変化(眠れない・食欲が減った)に敏感に気がついて、声をかけてあげるのがとても大事」「夏休みの宿題がうまくできなかったと気にしたり、友達とうまく話せないとか、ちょっとしたことと大人は思いますけど、子どもにしたら重大なこともあるので『気にしなくていいよ』『たいしたことないよ』とかは、そういう言葉がけは子どもを追いつめる可能性があります」

 大人は子どもの悩みに対して「気にしない」と声をかけがちだが、子どもの気持ちになって優しく話を聞いてあげることが大事だ。