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ブラジルの食肉問題 発がん性物質も使用か

2017年3月22日 17:21

 ブラジルの食肉加工業者21社が、衛生基準を満たさない食肉を販売したとされる問題で、各国に影響が広がっている。中国などがブラジル産食肉の輸入を停止したほか、日本も検疫の段階でこの21社の鶏肉などについて、とめおく措置を取っている。

 ブラジル警察によると、食肉加工業者21社は、政府の検査官に賄賂を払って検査を免れ衛生基準を満たさない食肉や加工品を販売したとみられている。警察は家宅捜索の結果、検査官と業者ら38人を拘束し調べている。

 21社は、鶏肉や牛肉、豚肉などを扱っていて、このうちの1社は日本に冷凍の鶏肉を輸出している。警察によると、業者は腐った肉製品の見た目や悪臭などをごまかすため、発がん性のある化学物質を使うこともあったという。

 ブラジル政府などによると、中国やメキシコなどがブラジル産食肉の輸入を停止するなど影響が広がっている。

 一方、厚生労働省によると、日本へ鶏肉を輸出していた1社は衛生上の問題ではなく会計上の不正操作で摘発されていて、この業者から輸入された鶏肉を食べたとしても、健康上の問題はないと認識しているという。

 また厚生労働省は、ブラジル当局が特別監査を進めるため、今後、摘発された21社から輸入される鶏肉などについては、検疫所にとめおく保留措置を取ることにしている。