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ヘアカラー皮膚トラブル 5年で1000件

2015年10月23日 21:28
ヘアカラー皮膚トラブル 5年で1000件

 カラーリング剤などで髪の毛の色を明るくしたり、白髪を染めたりする「毛染め」によって、「ただれ」などの皮膚障害が5年間で約1000件寄せられていることがわかった。皮膚トラブルを防ぐためにはどうすればいいのだろうか。

 消費者安全調査委員会は23日、毛染めによるただれなどの皮膚障害についての報告を発表した。皮膚障害が起きた事例は昨年度までの5年間で約1000件、昨年度は219件あり、そのうち治るまでに1か月以上かかる事例が39件あった。

 カラーリングによる皮膚トラブルについて、よしき皮膚科クリニック銀座・吉木伸子院長は「ヘアカラーによるトラブルは、大きく分けて2種類ある。1つはアレルギーによるもの。もう1つはアレルギーではなく、単に刺激によるかぶれのようなもの。アレルギーの場合は非常に強い反応が起こるんですが、顔の方まで目が開かないぐらいまではれたり、非常に激しいアレルギーを引き起こすことがあります」と話す。

 カラーリング剤は大きく2つに分けられる。一つは「化粧品」に分類されるもの。ヘアマニキュアに代表される「染毛料」。髪の表面だけが染まるので色落ちはしやすいが、アレルギー性の皮膚炎は少ないとされている。

 もう一つは「医薬部外品」に分類されるもので、主に「ヘアカラー」「白髪染め」と呼ばれる「酸化染毛剤」。髪内部の色素を分解し中まで染めるので色持ちが良いのが特徴だが、染料にはアレルギー性の皮膚炎を引き起こしやすい物質も含まれている。カラーリングによる皮膚トラブルの多くは、「酸化染毛剤」を使った事例で寄せられているという。

 酸化染毛剤の注意書きには「まれに重いアレルギー反応を起こすことがあります。必ず染毛の48時間前に皮膚アレルギー試験『パッチテスト』をしてください」とある。

 パッチテストとは、ヘアカラー剤を少量塗り、かぶれなどのアレルギー反応ないか調べることだ。

 東京都中央区にある「ハツコ エンドウ ビューティースタジオ銀座店」では、ヘアカラーをする前にパッチテストをしている。

 ハツコエンドウ・小出智好ディレクター「綿棒でうっすらつけていきます。(皮膚の)柔らかい部分に内側のところに、1円玉くらいの大きさで塗っていきます。炎症が起きないかの確認を一度とります。そこの状態で48時間、状態を見ていただいて自宅でかぶれがないようであれば、サロンで薬剤を使ってOKという形になります」

 反応が遅く出る場合もあるため、48時間経過後に確認して異常が出た場合、ヘアカラーはできないという。

 消費者安全調査委員会によると、カラーリングをする人で「パッチテストを知ってはいるが、行ったことはない」人は68%だった。

 消費者安全調査委員会は「カラーリング前には必ずパッチテストをして、赤みなどが出た場合は、すぐに皮膚科に行くことなど周知徹底してほしい」としている。