法務省は１２日、今年度の「犯罪白書」で、殺人の罪で満期まで刑に服した人が再び罪を犯す割合は、仮釈放された人の約６倍に上ると発表した。

　犯罪白書によると、殺人事件で仮釈放された人の再犯率は７．１％だったのに対し、満期まで服役した人は４２．６％で、約６倍に上った。また、傷害致死や強盗などほかの重大な犯罪でも満期まで服役した人の再犯率は仮釈放された人の２倍から３倍だった。

　法務省は０５年から、謝罪の意識が薄い受刑者に「被害者の立場に立ってものを考える」指導を行っているが、白書では、こうした指導の充実が必要だと分析している。