南北接続を支えるゲンバ

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富山2020.03.16 18:38

 富山駅南北の路面電車が直通運転を始める3月21日まで、あと5日です。エブリィでは今週、「つながる3.2.1」と題して南北接続に伴う動きや経緯をお伝えします。16日は、南北接続を支える「ゲンバ」の人々の姿です。

 先月の富山駅。路面電車が運行を終えた午前0時すぎ、みぞれが降る中、現場は動き出していました。

 Q何を見ているんですか?

 作業員「(線路の)分離が密着するかを見ている。動いた後元のポジションに戻るかどうか、後に来た電車が脱線しないように」

 南北接続に備えた試験運転です。接続後はこれまで駅南側だけを走ってきたセントラムなどの車両が北側も、一方、駅北側を走ってきたポートラムが南側も走ります。

 今まで走行していない路線を通るため、信号設備に異常がないかや、車両がホームと接触するなどの支障がないかチェックします。

 作業員「はいオッケー。今のスピードなら余裕」

 安全運行に備える、深夜の地道な作業です。

 一方、富山地方鉄道の南富山駅では路面電車の運行に欠かせないあるものを作っていました。

利用客が行きかう駅の建物の奥で、パソコンに向き合うこの男性。藤井宏治区長、53歳です。作っているのは・・・

 これがダイヤです。

 藤井宏治区長「こちらの方が今、作成中の南北接続のダイヤになります。滅多に見れるものではないですね」

 路面電車の運行の基本となる列車運行図表=ダイヤグラムです。大きな紙にびっしりと書かれた斜めの線。駅名が書かれた縦軸は距離を。横軸は時間を示しています。

 藤井宏治区長「岩瀬浜を5時33分に出発して、富山駅に入り、大学前に来るという感じです」

 Q細かい目盛りだなと思ったんですけど。

 藤井宏治区長「自分で作りましたけど見てると大変ですね(笑)」

 ダイヤの線は「スジ」と呼び、作成の担当者は、「スジ屋」とも呼ばれます。車両の数や運転士の人数、時間ごとの利用客数など様々な要素を考慮する「スジ屋」の経験と手作業が頼りです。

 南北接続に伴い、ダイヤ作成の難易度はさらに上がりました。

 例えば、現在南側を走っている車両30両のうち、北側も走行できるのは、セントラムなど新しい低床式の車両15両だけです。

「ここから環状線が出ていて大学側から来るところなんですよ、そこに抜けなければいけない電車がいて」

 富山地方鉄道 伊東信男 課長代理「富山駅はどうしてもいろんな方面から重なってる輻輳するところですのでどれを優先するか、そういったものを相談したりしています」

 藤井宏治区長「線だけ作ってみたら走らせる電車がないとか、低床車両がここにいなければいけないのにこのときはまだ岩瀬にいるとか、本当にパズルを組んでは壊し、組んでは壊しという感じで作ってきた感じです。残りの日は少ないんですけども失敗のないように準備していきたいと思っております」

 そして、南北接続へ最後の大きな節目となったのは、富山ライトレールと富山地方鉄道の合併でした。

 合併後は、富山地鉄が南北ともに路面電車の運行を担います。

 引き継ぎ式が行われた先月21日の夜、地鉄に吸収された富山ライトレールの本社です。会社の中や、入り口の看板などで富山ライトレールの文字を張り替えていきます。

 各停留場に書かれた問い合わせ先に至るまで張り替える作業は夜遅くまで続きました。

 路面電車の南北接続まで、あと5日。富山のミライにつながる電車の運行は、多くの人の努力と汗に支えられています。

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