成年後見制度で県内初の市民後見人

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富山2020.02.13 19:00

 成年後見人をご存知でしょうか。認知症や知的障害などが原因で判断能力が著しく低下した人の、預貯金などの財産管理や福祉サービスに関わる契約を代わりに行うなどする人のことです。家庭裁判所が選任するもので、親族のほか弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることが一般的です。これに対し一般の市民が養成講座を受講したうえで後見人に選ばれるのが「市民後見人」です。この「市民後見人」の県内第1号となった女性が13日、抱負を語りました。


 県内初の「市民後見人」に選任されたのは、富山市の主婦 荒木順子さん(76)です。荒木さんはこれまで、富山市で一人暮らしをしている80代の女性の生活支援をしてきました。そしてこのほど、この女性の市民後見人として家庭裁判所から選任されました。

荒木順子さん「(対象者は)1人であまり身寄りもないので、将来のことを心配していると思う。(本人は)将来、施設に入りたいと言っているので、ひとりひとりに寄り添っていけるよう、後見人として市民が活動できたらいい」

 高齢者の1人暮らしが増加することなどに伴い、後見人を必要とするケースも増えている一方で、担い手の不足が課題となっています。療育手帳や精神保健福祉手帳の取得者から算出した、県内で成年後見制度を必要とする人の推計はおよそ6万5000人です。しかし実際に制度を利用した人は、およそ2200人に留まっています。一般市民が後見人になることを後押ししようと、富山市社会福祉協議会は2008年度から市民後見人の養成講座を実施し、これまでに200人余りが受講しました。荒木さんも、2010年度にこの講座を修了していました。しかし市民後見人が選任されたのは県内では今回が初めて。社会福祉協議会によりますと、富山家庭裁判所は「財産や権利を保護する役目は第三者が行うには責任が重い」などの理由でこれまで選任していなかったといいます。一方で、4年前に後見制度の利用を促進する法律が施行されたことなどを受けて社会福祉協議会や裁判所などが協議を重ね、市民後見人の誕生にこぎつけました。

 市民後見人の報酬は、後見する相手または行政から支払われるということです。荒木さんは今月20日から市民後見人としての業務を行う予定です。

 今後、市民後見人の増加など制度の充実につながることを期待したいと思います。

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