松本幸四郎「爽やかな気持ち」文化功労者に

2012年10月30日 11:30

要約

歌舞伎俳優の松本幸四郎が、今年度の文化の向上や発展に貢献した人に贈られる文化功労者に選ばれた。自身を長距離ランナーにたとえ、「冷たいお水を一杯飲ませてもらった、そんな爽やかな気持ち」と表現。

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 歌舞伎俳優の松本幸四郎(70)が、今年度の文化の向上や発展に貢献した人に贈られる文化功労者に選ばれ、喜びを語った。

 幸四郎は「たくさんの方にお礼を申し上げたい。一番お礼をいいたいのは長年にわたって劇場に足を運んでくださった全国のファンの方々に」と観客への感謝をまず口にした。
 「満3歳で歌舞伎の修業をはじめて67年。27歳のときにニューヨークのブロードウエーで『ラ・マンチャの男』というミュージカルをブロードウエーの俳優さんと英語でやってから43年たちまして、いま思います気持ちはよく途中で諦めずにきょうまで続けてこれたなという思いで胸がいっぱいです」と万感の思いで振り返った。
 
 今年8月には「ラ・マンチャの男」が上演1200回を達成。10月までに「勧進帳」の弁慶を1073回つとめた。

 これまでの歩みを「正直言うと決して楽ではなかった」とし、「苦しいことを苦しいことのみにしない、悲しいことを悲しみのまま終わらせないで、苦しみを勇気に、悲しみを希望に変えるのが俳優という職業じゃないかなとそういう思いの一心できょうまで来た」と俳優としての立ち位置を確認し、「いただく方によってその賞の値打ちが上がったり下がったりしますので、心しなきゃいけない」と気を引き締めた。

 日頃から「小さな奇跡をずっと起こしてきた」と話しているが、「今回も小さな奇跡?」と取材陣から質問されると「そうですね。僕にとっては」としみじみ。「長距離ランナーが無我夢中で息を切らしながら走り続けているときに、後ろからとんとんと肩をたたかれて『はい、お水だよ』って冷たい水を1杯ごくっと飲ませてもらった、そんな爽やかな気持ちですね。諦めずに続けてこれてよかった」と安堵の表情を見せた。

 長女で女優の松本紀保(41)、長男で歌舞伎俳優の市川染五郎(39)、次女で女優の松たか子(35)ら家族の反応について尋ねられると、「うちの家族は感謝とか喜びとか非常に男っぽいところがございまして、非常に男っぽい態度で、でも心から喜んでくれました。心はこもっているけど、わりにさっぱりしている」と苦笑い。
 「俳優同士ですから、選手が競技しながら『金メダル取ったよ』『あっよかったね』っていう、あんな感じです」と説明。来年2月の舞台復帰に向けてリハビリ中の染五郎からは「復帰に向けてのリハビリの励みに、力になります」という言葉をもらったという。

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