ジブリ高畑氏も推奨「時宜にかなっている」

2011年4月19日 16:00

7月2日から東京都現代美術館で開催される「フレデリック・バック展」の会見が19日、都内で。スタジオジブリの高畑勲氏は「日本をどう作り上げるか再検討を迫られている現在、開催は時宜にかなっている」

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 カナダ在住のアニメーション作家、フレデリック・バックさん(87)の展覧会「フレデリック・バック展」が7月2日から東京都現代美術館で開催されることになり19日、都内で記者発表会が行われた。

 バックさんの長女でアトリエ・フレデリック・バック副代表のスーゼル・バック=ドラポーさん(54)と、企画を担当するスタジオジブリの高畑勲氏(75)らが出席。

 バックさんは人間と自然をテーマに数々の作品を世に送り出し、「クラック!」(1982年)と「木を植えた男」(1988年)でアカデミー賞短編アニメーション部門を2度受賞。本展覧会では、原画やコンセプトアート、スケッチなど1920年代から現在までに描かれた約1000点に及ぶ作品が展示される。

 スーゼルさんは「父フレデリックは常々、自分の作品を非常に謙そんした形でしか評価しておらず、このように大きな展覧会が開催されるとは、夢にも思わなかったでしょう」と父の胸中を推し量り、「2007年まで未公開となっていた5800点にのぼる作品群の大部分をご覧いただけることとなります」と展示内容に胸を張った。

 約30年前、宮崎駿氏と米ロサンゼルスで「クラック!」を見て以来、バックさんを師と仰ぎ、現在も交流を続ける高畑氏は、東日本大震災が残した爪あとに苦しむ日本の現状を踏まえてあいさつ。「バックさんは常に自然と人間の営みのあり方を見つめ、それがどうあるべきかについて考え、文明の行き過ぎには警鐘を鳴らし、メッセージを発し続けてこられました。私たちは、そこから多くを学ぶことができるはずです。特に荒廃した山地に黙々と木を植え続け、大地をよみがえらせた男を描いた『木を植えた男』は、幾多の困難を乗り越えながら力を合わせて復興に取り組まなければならない私たちを励まし、希望を与えてくれるに違いありません。これからの日本をどう作り上げていくか再検討を迫られている現在、『フレデリック・バック展』の開催は時宜にかなっている」と力強く語った。

 スーゼルさんも思いは同じ。被災者の現状を思い、「父の作品に込められたメッセージが再び希望をもたらし、自然の厳しさと人間の手で作り出された核エネルギーの脅威に見舞われた現在の状況に、少しでも変化を促せることを心の底から願っています」と話した。

 また、宮城県仙台市在住の4人組ロックバンド「MONKEY MAJIK」が、展覧会のテーマソングを手がけることも発表された。展覧会は10月2日まで。

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