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【イギリス】スクールを脅かす…オーディション番組出身者の台頭

(2009/05/20 OA)


 

 イギリス・ロンドンの劇場街・ウエストエンド地区では最近、テレビのオーディション番組出身者の俳優や歌手が増えている。

 アメリカの歌手、マイケル・ジャクソンさんのヒットアルバムを基にしたミュージカル「スリラー」に今月から加わった歌手、マリア・ローソンさんは、人気オーディション番組「Xファクター」出身。また、先月には48歳のスーザン・ボイルさんがテレビ番組で見事な歌声を披露、一夜にしてスターの座を射止め、話題になっている。

 しかし、イギリスには本格的に演劇を学ぶ伝統があり、小中学校の授業にも演劇が組み込まれている。映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドを演じた俳優、ダニエル・クレイグさんや、アカデミー賞女優、エマ・トンプソンさんら有名俳優の多くは、徹底して演技を学んだ本格派だ。

 そんなイギリスの伝統を支えているのがシアタースクール。スクールの代表格の一つ、ロンドンの「レイベンズコートシアタースクール」を訪ねた。

 60年の歴史があるこのスクールは、日本でも知られる俳優、マーク・レスターさんら演劇界や映画界で活躍する多くの俳優を育ててきた。劇団との違いは、義務教育も並行して行うれっきとした学校であるという点。午前中は通常の授業を行い、午後から演劇のレッスンを行う。

 ドラマの授業を行う教師は「素人が参加するテレビのリアリティー番組(オーディション番組)は、しっかりと演技のトレーニングをした人から仕事を奪っている気がする。今は技術も才能もないのに有名になりたい人ばかりよ」と、最近の傾向に苦言を呈した。

 ところが、このスクールからもオーディション番組に出演している生徒は多い。スクールには直轄の芸能事務所が併設されており、スタッフは劇場やテレビ局との連絡に追われていた。

 スタッフの一人は「若い人にとって面白いものは、親の世代にとって面白かったものとは違うの。今はみんな(ドラマより)リアリティー番組が好きなの」と話す。

 また、ダンスの教師も「いいことだよ!天性の才能さ!もし才能を持っているのなら、やってみるといいよ。芸を磨いて、みんなに披露するチャンスだ。(オーディション番組は)学校で練習したり業界で働いたりする機会のない人にチャンスを与えているんだ」と話していた。