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【ロシア】モスクワの融雪剤、安全性に疑問の声

(2009/03/04 OA)


 

 ロシア・モスクワでは、道路に積もった雪や氷を溶かす対策として大量の融雪剤を散布している。しかし、融雪剤の安全性を疑問視する声が上がっている。

 モスクワの雪対策は、大量の融雪剤を徹底的に散布すること。雪が降る前や雪が少ないときには液体の凍結防止剤をまき、積もった雪や氷には粉末状の融雪剤を散布している。モスクワで一年間に散布される融雪剤は約50万トン。これは1平方メートルあたり8キロになる。しかし、融雪剤によってたまった水は、排気ガスと化学反応を起こしたり、ゴミやホコリを巻き込んで真っ黒になったりするため、市民の評判は決して芳しくない。

 モスクワには「バレンキィ」という伝統的な防寒靴がある。羊毛でできた柔らかく暖かな靴で、モスクワの市民たちは最近までごく当たり前にバレンキィを履いていた。しかし、モスクワでバレンキィを履く人の姿は、今はほとんど見ることがない。融雪剤によってたまった真っ黒な水が、すぐにしみ込んでしまうためだ。

 モスクワでは、冬になると不調を訴える子供たちが急増するといわれる。融雪剤との因果関係は不明だが、モスクワ児童予備治療研究所のアンナ・ゲボルキャン医師は「子供が両親と散歩していた時に雪に触れて、その部分が局部的に腫れていました」と語る。

 07年まで製造されていた融雪剤は、工場の廃液を再利用していたといわれている。その融雪剤は、わずかに含まれていた放射性物質のため、現在は使用禁止になっていて売られていないということだが、モスクワのある業者はこの融雪剤を販売していた。モスクワのある場所の放射線レベルは通常0.1マイクロシーベルトだが、この融雪剤に放射能測定カウンターを近づけると数字が上がり、明らかに放射性物質が含まれていることがわかる。しかし、モスクワ市は詳細を明らかにせず、市民の多くはこの事実を知らない。

 専門家は「放射性物質は、直ちに健康に害が及ぶものではない」と話しているが、放射性物質がまかれていたという事実は変わらない。厳しいモスクワの冬はもうすぐ終わるが、融雪剤の安全性をめぐる問題は尾を引きそうだ。