« 【アメリカ】日本にも進出、高級ブランド専門通販サイトの成長の秘密とは… | メイン | 【エジプト】日本でも人気、エジプト原産の「王様の食べ物」 »

【中国】皇帝に献上され、国名の語源にもなった陶磁器のふるさとの今

(2009/03/25 OA)


 

 日本の陶磁器のふるさと、中国・江西省景徳鎮。その歴史は1000年になり、街のあちこちにある市場は人々でにぎわっているが、世界を魅了した伝統のモノ作りに今、異変が起きている。

 陶芸家たちが集まり、巨大な茶わんを作っている。大人が2人がかりで担ぎ上げた茶わんの直径は1.2メートル。しかし、厚さは2.5ミリしかない。陶芸家・楽茂順さんは「景徳鎮の最高水準の工芸技術で実現しました。世界に向かって景徳鎮の技術を見せたいと思います」と話している。

 街を歩くと、路地裏にも陶磁器を売る店がひしめき合っており、生活の中に歴史が脈々と受け継がれていることが感じられる。ゆったりした時間が流れる店先には、かつて皇帝たちに献上された美術品や調度品をまねて作った贋作(がんさく)が並んでいる。高級品に手が届かない庶民を楽しませるため、昔から贋作の世界でも職人の技が継承されてきた。贋作作りに携わって20~30年の職人によると、描くのに2日、色付けに3日かかるという。

 ところが、急速な経済成長のため、時間をかけてじっくりと仕上げるモノ作りの伝統が岐路に立たされている。景徳鎮ブランドの生産工場では、陶磁器の大量生産が行われている。機械化によってスピードが求められ、一枚の皿に絵を描く時間は10秒。多いときには一日に12万個の製品を生産するため、中国伝統の絵柄も簡単なデザインに作り替えられている。

 古くから陶磁器は英語で「CHINA」と呼ばれ、これが中国の語源になった。世界を魅了してきた景徳鎮の陶磁器だが、原料の土が取れないという深刻な事態にも直面している。中国政府は今年、景徳鎮を「資源枯渇都市」に指定し、街の再建に乗り出した。その一方で、後継者となる若者たちの育成も進められている。

 1000年間、継承されてきた伝統のモノ作り。匠(たくみ)の技を新しい時代につなげるための模索が続いている。