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【タイ】目指すは五輪 国を挙げてのプロジェクト「塀の中のボクサー」

(2009/02/25 OA)


 

 2012年のロンドンオリンピックを目指し、東南アジアのタイでは国を挙げての新たなプロジェクトが少し変わった場所で始まった。

 今回、ロンドンオリンピックを目指すために集まったのは、塀の中で暮らす受刑者たち。タイの刑務所では、受刑者の更生プログラムとしてボクシングが取り入れられており、今回のプログラムには全国の刑務所から17人の精鋭ボクサーが選ばれた。成績優秀な受刑者には恩赦という道もあり、受刑者にとってボクシングは名誉と同時に自由を勝ち取る手段でもある。

 強姦罪で懲役3年のジララック受刑者(22)は、「私は愚かな人間でした。でも、ボクシングを始めて少しは良くなったと思います。ボクシングを通じて生まれ変わることができました」と話す。麻薬密売罪で懲役8年のニミット受刑者(27)は「オリンピックのような海外の大会で試合をしてみたいです。メダルを取って早く家に帰りたい」と、夢を膨らませている。

 08年の北京オリンピックでは、タイ人のアムナート元受刑者がフライ級で準々決勝まで進出したほか、WBC(=世界ボクシング評議会)チャンピオンになった女性のノンマイ元受刑者には、ハリウッドで映画化の話が進んでいる。

 タイ代表入りをかけた全国大会が2月、バンコクで行われ、受刑者ボクサーにも特別に外に出る許可が与えられた。ニミット受刑者は、軍のクラブ出身の有力ボクサーを相手に判定で敗れた。ニミット受刑者は「私の夢は変わりません。オリンピックに行きたい気持ちは強くなりました」と話し、次の大会へと気持ちを切り替えていた。

 ロンドンオリンピックまでの長いラウンドのゴングは鳴ったばかり。「塀の中」から金メダリストが誕生する日が来るかもしれない。