13年ぶりのニューヨーク

(2018/11/12)

高校3年間をニューヨーク郊外で過ごしましたが、
それ以降初めてとなるNYをこの秋訪れました。

まず、必ず訪れたかったワールド・トレード・センターの跡地。
2001年の同時多発テロで崩壊した2つのビルがあった場所には
大きな滝状の慰霊碑があり、テロなどで亡くなった約3000人もの方の名前が
彫られています。
毎日ボランティア団体が誕生日を迎える犠牲者に白いバラを贈っているそうで、
黒色の慰霊碑に静かに映えていました。


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犠牲になった方々を弔う厳かな場所と想像していたのですが、
良い意味で期待を裏切られました。
一大観光地化されているのです。巨大なショッピングモールや壁面アートが施された
一角などがあり、慰霊碑の前では近代的な建物を背景に笑顔で記念撮影をする
観光客が大勢いました。犠牲者を悼みながらも、「私たちはテロに屈しない」という
メッセージの発信場所としての脆さと強さが共存するような不思議な空気が流れて
いました。


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そして、隣にあるミュージアムは圧巻でした。
当日の詳細な出来事を映像とともに時系列に紹介しているほか、
ハイジャックされた飛行機の通信記録や亡くなった方の最後のメッセージ、
跡地に残った骨組み、目撃した人の証言を公開するなど、この事件の悲惨さを
あらゆる手段を使って後世の人に届けようという信念が伝わってくる展示でした。
悲劇を繰り返さないためにどうしたらいいのかという問いへの解は簡単なものではない
ですが、ここで感じたことを多くの人と共感することは決して無駄ではないと感じました。


さて、もうひとつの今回の目的は、ブロードウェイで上演中の「ハミルトン」!
2016年トニー賞で、史上最多の全部門ノミネートを果たした大ヒット作品です。


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一度は孤児になりながらも、文才と商才、そして飽くなき探求心で地位を得て、
アメリカ合衆国憲法の草案に携わり、建国の父のひとりとなった
アレクサンダー・ハミルトン。彼の生涯を、なんとヒップホップ音楽に乗せて見せるという
これまでにない歴史ミュージカルです。
ハミルトン役を白人ではない俳優が演じるなど、キャストの多様性にも注目が集まって
いました。観る前は、ラップでよく理解できずに終わってしまうのでは...と不安に感じて
いたのですが、アルバムでの予習が功を奏したのか、そして何よりもリズムの勢いと
演出に魅せられ、最後は涙のスタンディングオベーションでした。


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トランプ政権となり街の雰囲気は変わったのかと気になり決めたNY旅行。
そのほかの場所も訪れましたが、1週間の滞在では断片的な印象で終わってしまい
ました。ただ、この街の魅力の源である多様性が失われてはならないと強く感じる
旅となりました。

投稿者 若林理紗