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拝啓 連也様 マスク越しの闘病20年

2021年12月3日 13:59
拝啓 連也様 マスク越しの闘病20年

連也さん「ママ つらい」

多くのことを我慢して、生きてきた20年…。でも、いくつもの壁を乗り越え、挑戦してきた20年。

連也さん「こうやって人と出会わなかったら、いまの自分はいない」

菴連也さん。生まれたときから免疫力が弱く、高熱や関節痛などに、繰り返しおそわれました。

母・有紀子さんの日記から

「全身が痛みころげまわっているかのよう」

「連也を助けるかわりに私を殺してほしいとも思う」

告げられた病名は高IgD症候群という難病。4歳の頃から、だんだんと歩けなくなりました。

炎症を抑えるための、ステロイドの副作用で身長は小学生になっても80センチでした。

連也さん「痛い」

高熱、吐き気…体中をおそう激しい痛みに入退院を繰り返してきました。遊びたい盛りなのに…。

連也さん「僕も(川に)入りたい」

母「それちょっとまずくない?」

連也さん「足つけたい!」

思い切り遊べるのは…絵の中だけ。

母「病気良くなったらやりたいことは?」

連也さん「スポーツ」

6歳下の妹の運動会には、行きませんでした…。

連也さん「行きたくない。だってさ、みんなにジロジロ見られるんだもん」

この日は、年に数回の交流授業。特別支援学校に通う連也さんにとって大切な時間。

完全に治すことは難しい病。長年の治療で体調の良い日も増えてきました。

6年生の夏のこと。

母「足全体に力入れて。きたー!にいにい頑張ってるやろ?」

8年ぶりに自分の力で歩けました。以前は立って上れなかった階段も…。

連也さん「今までの僕はこんな感じ。今の僕はこんな感じ。全然、眺めが違う」

高校2年生になった連也さん。ステロイドを減らすことができ、身長が30センチ伸びました。高校卒業後は運転免許も取得。

連也さん「同じところに行って、同じ勉強を受けて、モニターにばーっと(番号が)出されたときは、健常と障害ってないな」

現在、就活中。夢は膨らみます。

連也さん「映像制作とか、そういう会社に就きたい。ドキドキわくわく」

3月、地元の成人式。連也さんも20歳になりました。

父「20歳まで生きられなかった子もいる。そういったことも聞かされていたので。『生きててくれてありがとう』と」

母「今まで大変なこととかつらいこととか、いっぱいあったんですけど。人とのつながりとか大切にしてほしいし」

『人とのつながりを大切にしてほしい…』そんな願いが込められた『連也』という名前。

連也さん「一期一会っていう言葉があるように、人と出会わなかったらたぶんこうはなっていなかったと思う。というのは毎日思います」

これからも、自分らしく、明るく前向きに。

2021年11月28日放送NNNドキュメント『背景連也様
~マスク越しの闘病20年~』を再編集しました。