「まるで刑務所」オーストリア“都市封鎖”
ヨーロッパのオーストリア全土でロックダウンが始まりました。感染状況が急速に悪化する中、通勤通学など、必要最低限な場合を除いて外出が禁止されました。
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「まるで、豪華な刑務所のようです」
国民が「刑務所のようだ」と語ったのは、11月に入り、1日の感染者数が過去最多の1万6000人を超えたオーストリアです。22日からは、最長で20日間となるロックダウンが始まり、原則、必要最低限の外出以外は禁止されたほか、生活必需品を扱わない店は、営業もできなくなりました。
感染が深刻なのは、早い時期にワクチン接種を終えた高齢者や、11月から接種が始まった子供たちです。国全体の接種率も、およそ64%と低い水準になっています。
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オーストリアよりもさらに接種率が低いのが、東欧のスロバキアです。接種率はおよそ43%。ロイター通信によりますと、11月になり、過去最多の感染者が確認されていて、病院の重症病床はほぼ満床だといいます。
政府は、未接種の人たちに対し、厳しい対策を打ち出しました。
スロバキア ミクレツ内相
「警察官が街頭に立ってチェックする。やむを得ない場合は罰金を科す」
期間中は、ショッピングモールなどへの立ち入りを禁止するほか、陰性証明がないと、おのおのの職場に入ることも禁止するというのです。
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こうした政府のコロナ対策強化に反発し、21日、ベルギー・ブリュッセルでは、3万5000人規模のデモが起きました。一部の参加者は、警察官に向かって発煙筒や爆竹を投げ込みましたが、警察側は、放水などの手段で鎮圧。
AP通信によりますと、多くの人は、ワクチン接種を義務化する動きに抗議しているということです。