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コロナ軽視 ブラジル大統領「うんざりだ」

2021年10月14日 20:47

ロシアでは過去最悪ペースで死者が増加し、プーチン大統領はワクチン接種を加速させる必要があると訴えました。一方、ブラジルのボルソナロ大統領は、新型コロナウイルスを軽視する言動を繰り返しています。海外での新型コロナをめぐる最新の動きです。

■ロシア

700万人以上が感染したロシア。過去最悪ペースで死者が増加しています。(感染者 789万2980人 死者 22万315人 露コロナウイルス対策本部 14日時点)

ロシア プーチン大統領(ロシア・モスクワ、12日)
「コロナとの戦いは続いている。ワクチンは感染や重症化から守る」

プーチン大統領は12日、国民にワクチン接種を加速させる必要があると訴えました。

ロシアでは国産ワクチンのスプートニクVなどの接種が行われていますが、接種完了した国民はわずか31%程度。

ロイター通信によりますと、新しいワクチンへの不安感や政府への不信感などから接種をためらう人が多いということです。

連日3万人近くの新規感染者が確認され、感染拡大に歯止めがかからないロシア。14日の死者数は986人と過去最多となっています。

■ブラジル

2000万人以上が感染したブラジル。(感染者 2159万7949人 死者 60万1574人 米ジョンズ・ホプキンス大 14日午後5時)

ボルソナロ大統領は11日、サンパウロ州のビーチを訪問しました。人々が密集する中、この日もマスクはなし。

死者が60万人を超えたことについてメディアから指摘を受けると、「うんざり」と発言。

記者
「60万人もの死者がいるんですよ」

ブラジル ボルソナロ大統領
「死者がいない国はあるか?どの国だ?言ってみてくれ。もううんざりだ!」

また、大統領はこの翌日、地元ラジオ局のインタビューでワクチン接種をしないと決めたと話しました。

ブラジル ボルソナロ大統領
「ワクチンを打ちたくない人には打たない権利がある」

ブラジルでは国民の半数近くが接種を完了する中、去年7月に感染した大統領は、自分には抗体があるためワクチンを接種する必要はないとしています。

ロイター通信によりますと、大統領の支持率はパンデミックへの対応や経済の悪化などから落ち込んでいるということです。

■中国

9万人以上が感染した中国。(感染者 9万6478人 死者 4636人 中国・衛生当局 14日発表)

来年2月に行われる北京オリンピックのテスト大会が始まっています。

記者(中国・北京、14日)
「あ、ここに会場の入り口がありますね。ただ、多くの警備関係者が立っていて、人の出入りを厳しく管理しているようです」

フィギュアスケートの会場を訪ねました。

記者
「警察車両も付近に止められています」

敷地内にも警察の車両。厳戒態勢がしかれています。

記者
「取材も止められるようです」

記者
「私たちは日本のメディアです」

警備
「止めて止めて!」

今大会は外部との接触を避ける「バブル方式」のもと、厳しい感染対策を徹底しています。

会場内のスタッフもリンクサイドでは防護服姿です。

北京市民
「オリンピックはとても重要です。いろんな国から人がくるから(対策は)厳しくするべきです」

中国メディアによりますと、大会には9か国から32人が参加。日本からも世界選手権銀メダリストの鍵山優真選手ら4人が参加します。

   ◇

一方、いまだはっきりとしない新型コロナウイルスの起源を巡り、WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長は13日、新型コロナを含む新しい病原体の起源を調査するための諮問グループを新設すると発表。

WHO テドロス事務局長(スイス・ジュネーブ、13日)
「新型病原体の起源調査のための科学諮問グループのメンバーを今日(13日)発表した」

世界各国からの応募者、およそ700人から候補者26人が選ばれ、中には日本人1人も含まれています。

WHOは今年1月、中国・武漢に国際調査団を派遣。調査団は世界で最初にクラスターが確認された海鮮市場や、ウイルス研究所などを訪問しました。

報告をうけたテドロス事務局長は「さらなる調査が必要」との認識を示し、現在、第2段階の武漢などでの調査が検討されています。

今回新設される諮問グループは、どのような調査を行うべきか、WHOへ助言を行っていくということです。

   ◇

世界では2億3000万人以上が感染し、480万人以上が死亡。(感染者 2億3915万7844人 死者 487万4791人 米ジョンズ・ホプキンス大 14日午後5時)

ワクチン接種を完了した割合は、ポルトガルがおよそ86%、日本はおよそ66%、アメリカはおよそ56%。世界全体ではおよそ35%となっています。