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チェコ代表に感染相次ぐ…選手が胸中を告白

2021年7月24日 13:03

■五輪会場近くの時短店“恨み節”

23日夜、東京オリンピックの会場の国立競技場から歩いて約10分のハンバーガーショップを訪ねました。午後8時すぎには、競技場の上に花火があがりました。

ハンバーガーショップ店主
「やってますね。始まってますね」

岩本乃蒼アナウンサー
「本当に目と鼻の先で始まりましたね」

ハンバーガーショップ店主
「非常に残念ですね…」

この店は、超粗びきの牛肉をふんだんに使ったバーガーが売りで、4度目の緊急事態宣言でも酒の提供自粛や時短営業の要請に従っています。

夕方には開会式前の会場を見に来た地元の人たちでにぎわいましたが、午後8時に閉店しました。

岩本アナウンサー
「(開会式が)夜8時スタートというのはどうですか?」

店主
「うーん…僕らが(夜)8時閉店なんで、すごく違和感を覚えますよね。『お酒なし』でもいいから、せめてお食事だけ…決まりを守っているお店は営業していいよっていう風にしていただけたら良かったな、と思っています」

岩本アナウンサー
「オリンピックにもし観客が入っていたら、皆さんいらっしゃっていたでしょうね」

店主
「オリンピックが決まった時に移転しようと思って、これ(大会)に照準を合わせてこのお店をオープンしたんですけど、だいぶ当てが外れたというか…残念な結果なんですけど」

■「開幕の日」東京感染1359人

23日の東京の感染者は1359人でした。4日連続の4ケタで、金曜日では1月15日以来の多さです。年代別では30代以下が約70%を占めています。

都の担当者は「22日は医療機関が休みのところも多く、それほど多くないという認識だ。連休の影響が数字に表われている。連休明けの数字を注視していかねば」と警戒しています。

都内にある昭和大学病院では、23日も集中治療室で50代の重症患者の治療が行われていました。19日には18人だった入院患者は、23日までに7人増えて25人になりました。

昭和大学病院 相良博典院長
「『病床を増やさなければいけないな』というフェーズになってきたなっていう印象はあります。9人がアルファ株、14人がデルタ株(インド型)です。したがってアルファ株とデルタ株が、もう逆転してしまっている現状で、重症化が進んでいる。若い人たちの感染者が多く、しかも重症化していることを考えますと、早くワクチン接種すべきかなと思います」

この病院では、オリンピックの会場にも医師や看護師を派遣しています。

相良院長
「感染者の数自体がどんどん増えている状況下で開催されましたので、そういう面では非常に不安感を持って対応しているという状況です。(会場の)中で感染がおそらく広がってくる可能性はあると思います。中がどういう状況なのか、われわれは見えませんが、オリンピックを成功させるためには、きちんとした感染対策をやっていただきたいと思います」

■関係者19人…選手村の感染続出

一方、選手村の感染も止まりません。23日はこれまでで最多となる大会関係者19人の感染が発表されました。3人はテコンドー女子のオランダ代表のレシュミ・オギンク選手ら海外の選手でした。

コロナ陽性となり棄権した、自転車ロードレースのチェコ代表のミハル・シュリーゲル選手が23日夜、取材に応えてくれました。

「それ(陽性)が真実かどうか耳を疑いました。あす競技を見たら、現実を知るのかもしれません」

感染が分かったことでオリンピックに出場できなくなりました。

「とてもがっかりしました。いつまで(日本の)ホテルで隔離されて、いつチェコに帰れるのか分かりません。ポジティブに考えようとしても難しいです」

■なぜ…チェコ選手に感染相次ぐ

チェコ選手団は、これまでに6人が感染されています。メダル候補だったビーチバレー女子のスルコバーナウシュ選手は24日の日本との試合を辞退しました。ほかにも、ビーチバレー男子のオンジェイ・ペルシッチ選手や、卓球男子のパベル・シルーチェク選手の感染が確認されています。

ロイター通信によると、最初に感染が確認されたのはチームドクターで、ワクチンを接種していなかったといいます。

AFP通信によると、選手団で感染が相次いでいることについて、チェコの首相は「スキャンダルだ」「なぜこうなったのか理解できない」と話しています。

シュリーゲル選手
「私が今どういう状況にあるのか皆さんに伝えることは、国のためにもいいことだと思ったからです。だから取材に応じたのです。オリンピックがこれ以上、感染者が出ずに通常通り続行するのを祈っています」

(7月23日『news zero』より)