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36歳差 パラ競泳成田&山田 共に東京へ

2021年6月5日 22:28
36歳差 パラ競泳成田&山田 共に東京へ

5日、東京パラリンピック競泳の日本代表に内定した選手達が発表されました。内定選手は全部で27人。男子は、リオパラリンピックで日本人最多4つのメダルを獲得した木村敬一選手(30)など14人。女子は東京が通算6度目のパラリンピックとなる成田真由美選手(50)ら13人が、日の丸を背負います。

成田選手はパラ競泳内定選手の中で最年長の50歳。13歳の時、発症した脊髄炎により、両足に麻痺が残り、車いすで生活しています。

クラスは運動機能障害の中で、5番目に障害が重いS5です。1996年のアトランタ大会から、シドニー、アテネ、北京とパラリンピック4大会連続出場を果たし、一度は競技を引退するも、2015年に東京を見据えて7年ぶりに現役復帰。リオ大会にも出場しました。これまで獲得したメダルは15個の金メダルを含む20個。パラ競泳界のレジェンドです。

今回、成田選手は、MQSランキング(東京2020参加標準記録順位)で上位に入り、混合4×50m20ポイントリレーの代表に内定しました。「本当に、東京は(代表に)入れてよかった。本当に残された時間を悔いのないように、毎日毎日練習を積んで、最高の結果を迎えたい」と、語る成田選手。

パラ競泳は、内定した27人中、21人がパラリンピック初出場。最年長選手としての思いを聞かれると、「リオパラリンピックの時は、(自身を)『お母さん的存在』とは言っていたんですが、もう私の同級生おばあちゃんになった人もいるので…。私の姿を若い選手がみて、何か学んで、感じ取ってもらえたら、私もすごく嬉しいなとは思います」と、笑顔で話しました。

一方、成田選手の36歳年下、最年少で代表に内定したのは、中学3年生の山田美幸選手(14)です。山田選手は生まれつき両腕がなく、両脚の長さが違います。

クラスは運動機能障害の中で2番目に障害が重いS2。保育園の時に水泳を始めた山田選手が、パラリンピックを目指したきっかけは、小学4年生の時に見た、リオ大会の光景だといいます。

山田選手「(リオパラリンピックの選手たちが)泳ぎ終わった時の歓声がすごかったのを覚えてます。あと選手が、みんな笑ってるんですよね、インタビューの時。一生懸命泳ぐ、一生懸命競い合うって、こんなに楽しいことなんだって、選手の笑顔とかで感じて。自分もそういうのになりたいなと思って目指しました」

山田選手は、3月に出場した日本パラ水泳選手権で、50m背泳ぎ、100m背泳ぎの2種目でパラリンピック派遣基準記録を突破、代表の切符をつかみました。「東京パラリンピックに出られるということで、いまはワクワクとか、緊張よりも楽しく泳ぎたいなという気持ちが強いです」と、憧れの夢舞台へ気持ちを高ぶらせている様子。

そんな山田選手をレジェンド成田選手は、「(山田選手は)メダル候補となっていて、周りもお祭りではないですけど、いい意味でとても盛り上がっている。そこで自分を見失わないように、周りの大人たちにも、『そういうところはちゃんとしてあげてくださいね』って、美幸ちゃんのコーチにもLINEをしたところなんですけど。本当に自国開催ということで、時差も関係ないですし、思う存分泳いでもらえたらいいな」と、ベテランらしい気遣いでエールを送りました。

パラリンピック開幕まで、あと80日です。