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「ワクチン接種」現状は 予約めぐる混乱も

2021年5月11日 8:48
「ワクチン接種」現状は 予約めぐる混乱も

高齢者向けの新型コロナウイルスのワクチン接種は、予約や接種の開始などが本格化していますが、接種率はごくわずかです。医療従事者の接種率も半分以下で、混乱も起きています。苦労して取った接種の予約が2日前にキャンセルになった看護師に、一部始終を聞きました。

■高齢者向け 各地で「ワクチン接種」本格化

10日午前9時間際の、北海道函館市のある部屋では、時報が8時59分50秒を知らせると、一斉に電話が鳴り始めました。新型コロナのワクチンの集団接種の予約が始まり、電話が殺到しました。

ゴールデンウイークが明け、自治体へのワクチンの配送量が増えるため、NTTによると10日から全国約200の自治体で接種の予約受付を開始。また各地で、接種自体もスタートするなど、高齢者向けのワクチン接種が本格化しています。

■接種率 高齢者「0.5%」従事者「42.7%」

課題となっている接種率を首相官邸のホームページの情報から算出すると、高齢者は約3600万人のうちわずか0.5%(9日時点)。医療従事者などでも約480万人のうち42.7%にとどまっています(7日時点)。

そして、医療従事者への接種で混乱も起きていました。都内のクリニックで看護師として働く女性(30代)に聞きました。

女性看護師
「ようやく予約が始まったのが、4月26日だったんですよね。その日に一応、電話とネットと両方で待機していたんですけど、なかなかつながらなくて、ようやく予約が取れたのがその日の夕方ごろでした」

6時間かかって、なんとか1回目の予約が取れました。女性は「予防接種を受けるだけでも全然、気分的には違うので、やっと(ワクチンを)打てるんだな」一安心したといいます。しかし、予約直前になって、状況が急転しました。

■都から電話「ワクチンが届かない」

女性看護師
「前々日に、いきなり東京都から電話が来まして、『予約を取っていたクリニックで注射が打てなくなりました』と。なので予約はキャンセルになります、と言われました」

佐藤梨那アナウンサー
「それはどういった理由で、という話はありましたか?」

女性看護師
「もともと予約を取っていたクリニックに、ワクチンの薬剤が届かない、と」

システムエラーが原因だったといいます。

女性は自身の接種後、ワクチン接種会場でのアルバイトもしようと考えていました。「看護師が1人、2人増えるだけで、注射を打つこともできるし、早くワクチン接種が終わるんじゃないかなという思いがあって、できたらなというのがありました。まずは自分がワクチン接種を終わらせてからかな…と思って」

女性はその後、問い合わせの末、1回目の接種を受けることはできましたが、2回目の予約は取り直さなければならないといいます。

(5月10日『news zero』より)