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東証新社長 市場区分再編「丁寧に説明を」

2021年4月8日 22:39
東証新社長 市場区分再編「丁寧に説明を」

東京証券取引所の新しい社長に就任した山道裕己氏は東証1部などの市場区分を来年4月に再編することについて上場企業に「丁寧に説明を行いたい」と語りました。

東証は来年4月から現在の東証1部・2部、ジャスダック、マザーズと4つある市場を再編し、新たに3つの市場に変える予定です。3市場のそれぞれは、グローバルな投資家らの投資対象にもなり、国際基準の高いガバナンスが求められる企業が上場する「プライム」市場、新興企業など、今後高い成長が期待される企業が上場する「グロース」市場、その中間にあたる一定の上場基準を満たしている企業が上場する「スタンダード」市場に再編されます。

東京証券取引所・山道裕己社長「単に再編成するということではなくて、やはり日本株の全体的な魅力の向上、それは国内外の投資家にとっての魅力の向上をどのように達成するのか。より大きな観点から取り組んでいく必要がある。市場区分が見直されるということで、上場企業の皆さんには非常に丁寧な情報発信等々が必要になっていく」

今回の再編は、4つの市場の区別がわかりにくいとの課題を解決することで、国内外の投資家に積極的に投資してもらいたいというねらいがあります。また、東証では、企業の価値を向上させるためにコーポレートガバナンスの原則について定めています。これを6月に改訂し、取締役会の社外取締役の構成人数や環境への配慮などに関してこれまでより厳格なルールを設ける予定です。

一方、去年10月に発生した大規模なシステム障害の時には取引を再開するためのルールや手順が整備されていなかったことから終日、売買が停止になりました。その反省をうけて、障害発生時の対応を関係各所と事前に確認し合う必要があると強調しました。

東京証券取引所・山道裕己社長「参加者・証券会社の皆さんも参加してもらって意識づけをするような、(障害発生を想定した)訓練なり何なりができるか、そこにかかってくる。“ネバーストップ”は当然目指すんですけど、それでも“ストップすることはありうる”という意識のもとで何をどうどれだけ準備するか」

また、日本の市場の国際競争力を高めていくために今後も、技術革新にあわせた改修を継続していくと語りました。