日本学術会議の会員候補が任命されなかった問題で、菅総理大臣が「推薦名簿を見ていない」とした発言の波紋が広がっています。野党は、推薦に基づかない任命は違法だとして追及を強めています。

立憲民主党・黒岩宇洋議員「きわめて深刻な話でありますので」

１２日午後、内閣府の担当者などから聞き取りを行った野党は、９日（金）の菅総理大臣の発言を問題視しています。

菅総理大臣「（Ｑ：総理がご覧になった段階でもう９９人だった）そういうことです。（Ｑ：任命前の推薦段階でのリストはご覧になってない）いや見てませんよ」

菅総理大臣は学術会議・会員の候補者リストを見た時、すでに６人の名前はなかったと説明したのです。すると誰が６人を外したのか、疑問が生じます。６人のうちの１人で行政法の専門家・岡田教授は…。

任命を拒否された早稲田大学大学院・岡田正則教授「菅総理大臣の所に行く前に、何者かが文書を改ざんした。大変ミステリアスですね。法律から言うと無効な決定なんですね」

野党は内閣府の担当者に説明を求めました。

立憲民主党・山井和則議員「６人の任命拒否された人の名前を知らずに、９９人を任命したのか」

内閣府担当者「１０５人の推薦者リストが“ついており”、１０５人のうち９９名を任命するということについて、その考え方について決裁までの間にご説明がなされており、それを総理もご存じだったと」

担当者は、菅総理大臣のもとには「９９人のリスト」と共に学術会議が推薦した「１０５人のリスト」も提出したと説明しました。同時に出されていながら学術会議のリストは見なかったということでしょうか。

加藤官房長官「決裁文書には、推薦名簿は参考資料として添付をされてますけども、参考資料までは詳しくは見ていなかった、ということを指されてるんだろうと思います」

また野党は、誰が６人を外したかについて追及。

山井和則議員「（何人かを）削除するということは総理大臣以外にできる人はいるんですか？」

内閣府担当者「決裁までの間に総理まで、ご説明がなされており」

人事にかかわることということで内閣府は詳しい説明をしませんでした。野党は引き続き詳しい説明を求める構えです。