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東京で感染急増、背景に…若者?夜の街?

2020年3月26日 20:03
東京で感染急増、背景に…若者?夜の街?

感染者が急増している東京都。その大きな要因のひとつと考えられているのが、重症化しにくいとされる若い世代の行動。今、“自粛疲れ”したとの声も聞かれる。東京での感染急増の背景を取材した。

◆繁華街で、公園で…若者から“自粛疲れ”の声

26日午後6時ごろ、渋谷スクランブル交差点では、多くの人が行き交っていた。日本有数の繁華街、東京・渋谷。昼間も人通りは多く、多くの若者たちの姿があった。

「カフェ巡りに来ました」「土日に自粛してくださいと言われたので、今日は(平日だから)いいかな」

渋谷に来た理由を聞くと、若者から聞こえるのは“自粛疲れ”の声。

「ストレスもたまってしまうので」

満開を迎えている桜の名所では、人の姿はまばら。東京・台東区の上野公園も、人はまばらだったが──

「あんまり出ちゃいけない気持ちもありますけど、(屋外だし)花も咲いてるのは今だけだと思って来ちゃいました」「ずっと家の中にいても鬱になっちゃいそう」

やはり、ここでも若者から“自粛疲れ”の声が。

◆“いつもどおり”に批判的なトーンの海外報道も

しかし、小池都知事は連日、若者に感染拡大防止への協力を呼びかけている。

東京都・小池百合子知事(23日)「東京は、発見が困難な若年層のクラスターが発生する恐れがある」

東京都・小池百合子知事(24日『news zero』)「若い方々が元気に活動される。それが感染の源になる可能性が多い」

26日も──

東京都・小池百合子知事「若い方々の行動について、感染を防ぐという意味でご協力をお願いしたところです」

しかし、若者からは──

「すぐに外出ダメと言われて、閉じこもることはできない」

こうした中、ロイター通信は25日夜、「オリンピックの延期が決定されたにもかかわらず、東京の若者たちは、渋谷でいつもどおりのナイトライフを送っている」と、日本の若者が普段どおり買い物や食事をしていることを批判的なトーンで報道している。

◆急増する都内の感染者、背景には

26日も47人の感染が確認され、急増している都内の感染者。そこにはこんな背景も。

国のクラスター対策班は、夜間営業をしている飲食店で「クラスター」が発生した可能性も含めて、分析を進めているという。そのため、平日を含め夜の飲食を伴う集まりなどの外出の自粛を要請。

東京都・小池百合子知事「夜の会合等々も、できればお控えいただきたい」

これを受け、都内の居酒屋では、ある考えを検討していた。

◆感染源になってはいけない…店も対応検討

平日を含め、夜の飲食を伴う集まりも自粛が呼びかけられている東京。17日から営業時間を2時間短縮し、営業を続けている居酒屋では……

『浩司』店長・戸田秀雄さん「若い人とか先週もいっぱい来ましたよね」

しかし26日は、前日に自粛要請があったせいか、客はまばら。そんな中でも飲みに来た人は。

客「周りは自粛ムードだけど、“休みは休みだ”って切り替えてやっています」「(飲むことは)特に自粛もしていないので、そんなに重く考えていない」

店主の戸田さんは、こうした状況でも来てくれるお客さんはありがたいと話す一方で、ある考えも検討していた。

『浩司』店長・戸田秀雄さん「昨日(自粛要請の)報道があったから、少し我慢して休んだ方がいいのかな」

店が感染源になってはいけないと、休業も考えているという。

◆海外渡航“自粛要請”も…仕事で行かざるを得ない

東京で週末の不要不急の外出など自粛が呼びかけられている中、海外への渡航も、25日から全世界を対象に自粛が求められている。

26日、成田空港では、海外へ出発する人の姿があった。

ドイツに行く人「ドイツに行く、仕事で」

中国・大連に行く人「駐在員ですから、仕事場が向こうにありますので、やむを得ない」

多くの人が仕事で行かざるを得ないと話した。

広がる自粛要請。感染拡大を防ぐことはできるのだろうか。