今年秋のアメリカ大統領選。勝つのは共和党か、民主党か。カギを握るのが、中南米などからの移民・ヒスパニック系の人たちと言われている。その思いを取材した。

秋に行われるアメリカ大統領選。トランプ大統領の相手は、前の副大統領で穏健派のバイデン候補と、急進左派のサンダース候補に事実上絞られた。

私たちは先月向かったのは、全米２位の大票田・テキサス州にある大学。そこで開かれていたのは、野党・民主党の候補者に投票するよう、ヒスパニック系の人たちに呼びかけるイベント。会場には候補者レースでトップを走るバイデン候補を支持する地元議員。さらに、サンダース候補もビデオチャットで登場し、直接、語りかける。

サンダース候補「私は人種差別者の（トランプ）大統領に辟易（へきえき）しています」

演説に聞き入るのは、イベントを主催する団体で働くデイジー・ゴンザレスさん（２３）。

デイジーさん「彼らが私たち（ヒスパニック）に向けアピールしていて、重要視していると知ることができてよかったです」

デイジーさんは、これまで少数派とされてきたヒスパニックの状況が変わってきたと考えている。

デイジーさん「ヒスパニックはもはや少数派ではなく、人口の大部分を占めることになる」

メキシコとの国境沿いに位置するテキサス州は、もともとは白人を中心にトランプ大統領を支持する共和党が強い土地柄だった。しかし、中南米の出身者やその子孫のヒスパニックが急増し、今や人口の３分の１を占めている。街にはメキシコの人気料理「タコス」などヒスパニック向けのも多く見られる。

日曜日に行われるキリスト教のミサ。教会では、ヒスパニックのために、スペイン語でミサが行われていた。こうしたヒスパニックの多くは、大統領に対抗する民主党を支持しているとみられている。

メキシコからの移民「昨年、アメリカ国籍を獲得できたのです。１１月（の大統領選）には民主党に投票します」

デイジーさんの両親もメキシコからの移民。移民を犯罪者呼ばわりするようなトランプ大統領の発言や移民政策に恐怖すら感じるという。

デイジーさんの父親「ヒスパニックであることに恐怖を感じますし、世の中で起きていることを見聞きすると、子どもたちのことも心配になります」

デイジーさんは今回の大統領選はヒスパニックの特に若者たちにとって非常に重要だと考えている。

デイジーさん「（トランプ大統領が）国民を分断しようとしていると気づくべきだった。様々な人が抱える共通点を見つけることが大切で、それがあればトランプ以前の時代に戻ることはできます」

民主党の予備選挙ではバイデン候補が勝利したテキサス州。１１月の大統領選について専門家は…。

専門家「テキサス州で共和党が負けたら、大統領選挙の結果に非常に大きな影響を及ぼすことになるでしょう」

１１月の大統領選で、ヒスパニックの人たちは影響力を示すことができるのだろうか。