洗濯乾燥機の設置が不登校児童の改善に
ゲストいち押しのソーシャルグッドなヒトやモノを紹介していただく「recommend」。ホワイトプラス社長の井下孝之さん、一押しは「Care Counts」。
――Care Countsとはどういったものでしょうか。
アメリカの家電メーカーがCSRの活動の一環で公立の小学校に洗濯乾燥機を設置し、不登校の子どもを減らす活動をしたという話です。結果、服をきれいに保つことが人間の尊厳に関わることだということが分かりました。
――学校に洗濯機を設置することが不登校減少につながる?
家電メーカーの調べによると、不登校の理由として親の健康や育児放棄などの根底の事情もあるのですが、子どもに聞いた直接的な学校に行きたくないきっかけとして、「服が汚れているから人に見られたくない、汚れた服のまま人に会いたくない」というものがありました。そこに目をつけた家電メーカーが、服の汚れを取ることを支援してあげたらどうかということで、学校に無料で使える洗濯乾燥機を置きました。結果を見るために学生証をかざして使えるようにしたところ、今まで不登校だった方のうち、85%の学生の不登校が改善したというデータが出ました。
「汚れた服だから人に会いたくない」というのが、服がきれいになることで自信を持って学校に来られるようになる。服の汚れを取り除いてきれいな服になることが人間の尊厳を取り戻すのはすごく良い話だと思いました。
――85%は高いですね。
そうですね。私もそこまで変わるのかと目を見開かされました。
――またクリーニングにもつながりますね。
私たちのお客様でも「きれいな服だと人に会うのが楽しくなる、外にお出かけしたくなる」という話を聞いていたので、やはりそうなのかと共感しました。
■井下孝之さんプロフィル
ホワイトプラス社長。ネットで注文できる衣類などの宅配クリーニングサービス「リネット」や、ハウスクリーニングのマッチングプラットフォーム「kirehapi」などを運営。創業は2009年。ネットやスマホが急速に普及するなか、クリーニングのIT化が遅れていることに着目。自身も既存サービスに不便を感じていたことから事業を立ち上げる。リネットは24時間注文でき最短翌日に自宅に届くサービス。2019年度のグッドデザイン賞にも選ばれた。「テクノロジー×リアル」を軸に、生活領域のサービスをテクノロジーの力で便利にし、世の中を豊かにすることを目指している。
【the SOCIAL recommendより】