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床がツルツル?健常者が利用しにくい飲食店

2020年2月18日 14:13
床がツルツル?健常者が利用しにくい飲食店

車椅子を利用する人と健常者の立場が逆転するレストランがあります。

オーナー「あ、二足歩行の方々ですか?通常は介助者の方がいないとレストランに入っていただくことができないですけれども…」

ここは、車椅子を利用する人が多数派のレストラン。健常者が入店すると、けげんな態度で接客されます。バリアフルレストランは、健常者に、マイノリティーとして実際にバリアを体験してもらい、障害と社会のあり方について考えてもらうための体験型のイベントです。

店の天井の高さは、170センチ。車椅子の人には十分な高さですが、健常者は腰をかがめて入店しなければなりません。椅子を置いていないため、健常者は中腰で立ったまま食事。店員も、他の客も、車椅子利用者です。

オーナー「腰の方は大丈夫ですか?」

健常者の客「大丈夫です。ちょっと痛いけど大丈夫です」

好奇の目で見られます。

オーナー「(天井に頭を)ぶつけてしまうといけないので…」

ヘルメットの貸し出しは、健常者に対するバリアフリーです。車椅子が動きやすいよう、床はツルツル。ビュッフェ用のお皿も、低い位置に置かれていて、車椅子利用者には便利な一方、健常者にはバリアを感じやすい設計になっています。

公益財団法人 日本ケアフィット共育機構・向笠理事「この世の中って、多数派の偏りのある世の中なんですよね」「多数派と少数派を逆転する発想です」

店の奥から聞こえてきたのは、スタッフ同士のこんなやりとり――

オーナー「中島さん!何ぼうっとしてるんですか!二足歩行の人が来たら丁寧に接しないとダメだから!」


店員「私、二足歩行の人とか対応したことないです」

オーナー「本当は受け入れたくないよ。だって売り上げ下がるもん」

車椅子の利用者が実際に体験した出来事を、演出として取り入れています。体験した人は――

体験した客「私はたまたま多数派であって、当たり前に生活をしていたので、多数派に偏った社会なんだなって、気付ける視点を持てた」

向笠理事「“障害”はどこにあるのか」「共生社会って何だろうって」「考え続けることが大事だと思う」


【the SOCIAL viewより】