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新型コロナ 観光にも影響 日本の検疫は?

2020年2月6日 15:12
新型コロナ 観光にも影響 日本の検疫は?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「新型コロナウイルス 観光にも影響」。台湾や香港の人に向けた日本観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」を運営する吉田皓一氏に話を聞いた。

中国本土で感染の拡大が続く新型コロナウイルス。世界で警戒が高まっています。北海道で4日から始まった「さっぽろ雪まつり」では、会場に消毒液が設置されるなどの対応がとられ、来場者は過去最高だった去年から大きく下回ることが予想されています。

ネット上では…

「2020年のイベントはずっとこんな感じかな」
「経済よりもいまは感染症予防に全力を」
「早く収束することを願いたい」

といった声がみられました。


――吉田さん、今日もクルーズ船で新たな感染者が確認されていますが、香港・台湾の観光客への影響が気になります。フリップをお願いいたします。

「残念検疫」です。

中国語なんですけども、こちらはですね、実は昨日、おとといぐらい台湾のSNSで話題になったワードでして、これ日本の検疫に対して「残念だ」というふうなニュースが駆けめぐったということですよ。


――どういった点が残念と。

台湾の検疫体制っていうのは本当に厳格で、しかも迅速で、それに比べて日本はなんかちょっと緩慢じゃないかと。緩いんじゃないかっていうのが、台湾ではかなり言われ始めていますね。


――どういう対策が台湾ではとられているんでしょうか。

台湾では、中国から入る人をいち早く、ストップさせまして、検疫のレベル、警戒レベルも日本に先駆けて早く高めまして、あと日本人では、えっと思うかもしれないんですけど、マスクの輸出、台湾から外に出すことを禁止というふうなことも行政で決めているんですよ。なので行政もそうですし、あとは民間の方にしても、いま台湾に行くと、ほぼ全員マスクしてるんですよ。外を歩いている人、ほぼ全員マスク。日本の場合、東京の場合、まだ半分もしてないんじゃないかなっていう印象を受けるので、そういった雰囲気も、台湾の方にとっては「ちょっとこんなんで大丈夫なの?」っていうふうに思われてるように聞いております。


――台湾の対策がしっかりしているのは、やはり前回SARSの経験があるからですか。

そうなんですね。2003年、台湾はSARSで73人の死者を出していまして、その教訓を糧に今回も本当に迅速、厳格な検疫体制を敷いているというふうにいえますね。


――なるほど。やはり「残念検疫」といわれている中で、日本に来たいって思う台湾の方は減ってしまっているんでしょうか。

中国から日本に来る人っていうのは、結構激減しちゃってるんですけど、昨日、台湾の旅行会社の人に電話すると、現時点で日本行きのツアーパッケージは2割ぐらい減っていると。あるいは着地型ツアーは売っている会社に聞くと、そんなに減ってないということで。中国から激減してるんですが、台湾、香港も含めてなんですけど、まだそんなに減ってないと。

ただ今後、日本において感染者数が増えるようなことがあれば、また行政の方で警戒レベルを上げて、日本に渡航を延期しなさいとかそういった流れになる可能性も非常に高くありますよね。


――そういうことを避けるためにも、的確な対応が始められていますね。


■吉田皓一氏プロフィル
ジーリーメディアグループ代表。台湾や香港の人に向けた日本観光情報サイト「ラーチーゴー!日本」を運営している。吉田さんは大学在学中に独学で中国語をマスター。テレビ局勤務を経て起業しました。中華圏向けのビジネスを検討中に、日本と台湾で飛行機の本数を航空会社が自由に調整できる「オープンスカイ協定」が締結。台湾から日本への旅行者が激増した。そのチャンスをいかし2013年、「ラーチーゴー!日本」を立ち上げ。台湾や香港から来る多くの観光客に利用されている。

【the SOCIAL opinionsより】