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ファミレス“脱24時間”どうなる深夜営業

2020年1月24日 18:20
ファミレス“脱24時間”どうなる深夜営業

今週、すかいらーくホールディングスが発表したのは「24時間営業の廃止」。背景には「働き方改革」があるという。飲食店の深夜営業の実態はどうなっているのだろうか。夜中の密着取材で見えてきた事とは。また、時代とともに進化を続けるファミリーレストランの今後の姿とは。

お昼時のファミリーレストラン。店の入り口には、営業時間変更のお知らせが張られている。実はこちらの店舗、去年までは“24時間営業”だったが、今年から営業時間を短縮した。今週、ジョナサンやガストなどを展開するファミリーレストラン最大手、すかいらーくホールディングスの出した発表が「24時間営業の廃止」。

すかいらーくホールディングス広報、伊藤宏泰ディレクター「従業員の健康に配慮した環境をつくるのはすごく大事」

働き方改革の一環で24時間営業がすべての店舗で廃止となる。

~「ファミレス脱24時間営業」ネットの声~
「ドリンクバーで朝までおしゃべり楽しかったな」
「コンビニもファミレスも夜は休もうよ」
「深夜に仕事できる場所がなくなっていく…」

深夜の店舗を取材すると見えてきた時代のニーズとは。

   ◇

広がりを見せる24時間営業の廃止。2011年にはサイゼリヤが「需要が少なくなった」などの理由で廃止。ロイヤルホストでも「従業員の働く環境を良くする」などとして2017年に廃止にしている。

都内にある店舗では、深夜営業をやめたことで職場の環境が少しずつ変わってきているという。

ジョナサン中野坂上店、徳岡信行店長「(スタッフの)トレーニングが進んだりとか実際に調理する人数が増えているので、サービスが行き届くようになった」

すかいらーくホールディングスでは、時間を短縮した分、ランチやディナーの時間帯に従業員を重点的におくことでサービス向上につなげたいとしている。

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実際、都内で24時間営業をする飲食店ではどんなことがおきているのだろうか?

60種類以上の料理から好きなものを選べるお店。午後7時には40人座れる席がうまっていたが、午後11時過ぎには、お客は1人に。深夜の従業員は2人だけ。お客が入らない時でもヒマな時間はない。そして、深夜0時近くに来店したのは、石垣島からやってきたという女性。深夜に食事をできる店を探していたという。

利用客「ありがたいと思った」

さらに終電もなくなった午前1時半すぎ。

every.「お客さんがいなくなりました」

お客はゼロに。結局、この日は深夜0時から午前6時の間に22人が来店していた。

小町食堂、三矢正博統括店長「売り上げだけ考えるとはっきりいって厳しい部分もあるが、お客様がいる限りはお店は(深夜も)営業していきたい」

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需要がある限り続ける店もある一方で、広がる24時間営業の廃止。他のサービスの利用者の増加が背景のひとつと専門家は指摘する。

野村総合研究所、倉林貴之上席コンサルタント「フードデリバリーの業態であるとか、わざわざ店に買いに行くのではなくて家まで運んでもらう」

食事を配達するサービスの利用者が増加する一方、4年後、5年後にはデジタル化で店舗の自動化がすすみ、再び24時間営業の店舗が出てくる可能性もあるという。24時間営業の見直しは今後も広がりそうだ。