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米国とイラン、今後の行動は…専門家が議論

2020年1月10日 5:11

イランがアメリカ軍の拠点を報復攻撃したことに対し、トランプ大統領は軍事力の行使を当面回避する考えを示したが、今後、両国はどのような行動に出るのか。9日夜の深層NEWSで専門家が議論した。

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国際開発センター・畑中美樹研究顧問「イランの最高指導者ハメネイ師は、対米不信感が強いから、11月のトランプ大統領引き下ろしに向けて、まだまだこれから攻撃を強めると思う。ポイントは、今はイラクの米軍を攻撃しているが、バーレーン、カタールの米軍の攻撃を11月の選挙前の9月とか10月に仕掛けてくると思う。その時にトランプ大統領がどういう対応をするのか、自制できるのか、そういうところが注目される」

笹川平和財団・渡部恒雄上席研究員「トランプ大統領は、11月の再選が至上命題。しかしそのために色々なやり方があって、しかも相反する。1つはイラクとか中東から軍隊を引きたい、これは公約の1つ。同時に自分たちの支持者のキリスト教保守派にアピールするため、イランに強硬姿勢も続けたい。相反するものを一緒にやるのは難しいので、普通は戦略がいる。戦略を考えるのはアドバイザー。そのアドバイザーの言うことは聞かないということで、非常に混乱が予想される」

また、軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんは、「長期的にはアメリカはシーア派の勢力が強いいわゆる『三日月地帯』から撤退していく流れにあり、イランの影響力が強まる。するとシーア派以外の人々への弾圧が心配される」と指摘した。