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寝る前の室温↑で“夜中のトイレ”減少!

2020年1月10日 19:03
寝る前の室温↑で“夜中のトイレ”減少!

寒い時期になるとトイレの回数が増えがちで、夜中に目が覚めてしまうという人も少なくないだろう。そうした症状をやわらげてくれる研究成果が話題になっている。ポイントは、ベッドに入る1~2時間前の過ごし方だった。

◆寒い時期のトイレの悩みは多くの人に…

都内の武蔵小山商店街パルムでバッグの販売店を営む、50代の男性。冬の寒い時期にお店に立っていると、ある悩みが…

バッグ販売店を営む50代「トイレはやはり困るというか、もう仕方なく毎年あきらめている状況ですね」

それは、トイレが近くなるということ。

バッグ販売店を営む50代「やっぱり接客中に催したときに、我慢するしかない」

パン屋で働く女性は…

パン屋で働く40代「トイレに行くタイミングがないので、あんまり水分とらないとかしてます」

街の人からは…

街の人「夜中に3回くらいはトイレにおきるからね」

実は、こうした寒い時期のトイレの悩みを解消してくれるかもしれない、ある研究成果が明らかになった。

◆実験で分かったことは?

研究したのは、医師で産業医科大学の藤野善久教授らのグループ。

──今回の実験で分かったことは?

産業医科大学 藤野善久教授「頻尿と室温に関しては、暖かい環境で過ごされると寝ている間のトイレの回数が減る。寝る前の(部屋の)温度がより重要だということがわかりました」

就寝中ではなく、寝る前の室温を上げると頻尿が改善するという。

◆頻尿の症状とは

そもそも頻尿とは、どのような症状をさすのだろうか。

女性医療クリニックLUNAグループ 関口由紀理事長「病気としてはですね、本人がおしっこの回数が多くて困っていたら頻尿」

一般的には、朝起きてから寝るまでに8回以上で「昼間(ちゅうかん)頻尿」。寝ている間に1回以上トイレに起きると「夜間頻尿」だという。

また、日本排尿機能学会の調査では、40歳以上の男女の約69%が夜間頻尿で、3回以上トイレに起きる人は13%以上いることがわかっている。原因は様々だが、寒さで自律神経が影響を受け、トイレが近くなることがあるという。

◆効果がある部屋の温度の上げ方

こうした悩みに対して、今回の研究でわかったのが──

産業医科大学 藤野善久教授「寝る前の約1~2時間前に過ごされている環境が暖かいかどうか(が重要)。1つの目安となりますのは(寝る前に)18℃以上の環境で過ごすというのが大事ではないかと考えております」

寝ている時の部屋の温度は同じでも、寝る前の1~2時間を室温が2.5℃以上高い部屋で過ごすと、頻尿になる割合が約5割減るという。

室温を上げるためには、住宅の断熱化などをすすめる必要があるという。

◆部屋を暖かくするちょっとした工夫

その一方で、ちょっとした工夫で部屋を暖かくする方法を、住居の環境に詳しい北九州市立大学の安藤真太朗氏に聞いた。

北九州市立大学 安藤真太朗氏「まず窓のところからですね、冷気がよくきやすくなっていますので、足元のところまで、裾が床までつくようなかたちでカーテンを使う。気泡緩衝材といったものを窓ガラスに貼ることも効果があります」

さらに、窓やサッシの隙間に冷気を遮断するテープを貼ることでも部屋を暖かくすることができるという。

◆「排尿記録」で改善も

また、頻尿の症状には──

女性医療クリニックLUNAグループ 関口由紀理事長「医学的に正しい診断法でもあり、治療法でもあるのが“排尿記録”。1回排尿の状態を認識すると、書くだけでよくなる人がたくさんいて」

自分のトイレの回数や量を記録して正常な状態と比較するだけでも改善がみられるという。

冬の寒い時期に、多くの人が頭を悩ます頻尿。医師への相談はもちろんだが、住まいの環境を見直すことも、重要だ。