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ゴーン被告「逮捕・起訴は仕組まれたもの」

2020年1月9日 5:45

日本から中東のレバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が日本時間8日、記者会見を行った。日本の司法制度を強く批判し、逮捕・起訴は仕組まれたものだったと主張した。

ゴーン被告は会見を行うにあたり、出席するメディアを選別し、自らの主張を展開した。

ゴーン被告「基本的人権を侵す(日本の)制度についてここで言いたい。私は逮捕されるべきではなかった」

ゴーン被告は、ルノーの影響力を排除したいと考える日産の人たちに追い出されることになったと主張し、逮捕・起訴は検察と日産による陰謀で、現実とは異なる組み立てられたストーリーだと述べた。また、この中に日本政府関係者も関わっているとする一方で、「レバノン政府との関係を考慮し、名前を出すつもりはない」と述べた。

ゴーン被告「真実が明らかになり、無実を証明し、名誉を回復できるのはうれしい。正義から逃げたのではない。不正や政治的な迫害から逃げたのだ」「判決が出るまで5年かかる。日本で死ぬか、日本から脱出するかということになる。まるで人質のようだった」

一方で「日本からどのように脱出したか話すつもりはない」と述べて、逃亡の経緯は明らかにしなかった。

こうしたゴーン被告の説明に対し、記者会見に出席したメディアからは、不満の声も聞かれた。

スイスメディア「ゴーン被告がどのように出国したのか、詳しい経緯の説明がなく、がっかりした」

フランスメディア「ゴーン被告が罪を犯していないとは言わないが、(無実なら)裁判で証拠を示すべき」

フランスメディア「日本のメディアが真実を一番知りたがっているからこそ、会場に入ることを許可すべきだった」

会見は2時間半にわたったが、自らにかかっている嫌疑を追及される場面は少なく、自らの主張をまくし立てるように話し続けて終了した。