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道路に迷子の3歳児…15歳少年が勇敢行動

2020年1月9日 18:39
道路に迷子の3歳児…15歳少年が勇敢行動

車が数多く行き交う、道路。その真ん中で3歳の男の子が、迷子になっていた。一歩間違えば事故になりかねない男の子のピンチを、ある15歳の中学生が救ったという。中学生がとった勇気ある行動とは。

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9日に私たちが訪ねたのは栃木県宇都宮市の中学3年生・浅野涼太さん(15)。実は彼は、自転車ロードレースのプロチーム「宇都宮ブリッツェン」の育成チームに所属する、いわば「プロの卵」。これまで数々の栄光を手にしてきた。

そんな将来有望な浅野さんが、実は今回新たな栄光を手にした。きっかけは去年12月26日正午頃、多くの車が行き交う市内の県道での出来事だった。この日、サイクリングのトレーニングを終え、帰宅途中だった浅野さん。そこで信じられない光景を目にしたという。

浅野さん「ちょうどこのオレンジの真ん中あたりに子どもが一人立ち止まっていて」

なんと道路のど真ん中で迷子になっていた3歳の男の子を発見。周囲は渋滞していたが、誰一人、男の子に手をさしのべる大人はいなかったという。男の子の身に迫る危険を感じとった浅野さん。

浅野さん「やばいなと思いましたね。その後は助けることしか考えなかった」

とっさに自転車を降り、男の子のもとへ駆けつけ、手をさしのべたという。その後すぐに110番通報。警察が保護し、男の子は無事親もとへと戻っていった。

浅野さん「小さい子が一人で歩いているのが不安というか心配だったので、親のところへ無事帰れてホッとしたという感じです」

そして、中学3年生が見せたこの勇敢な行動に、年明けの今月7日、宇都宮中央署は感謝状を贈った。多くの大人が見て見ぬふりをする中、一人行動を起こせた訳を改めて聞いてみると。

浅野さん「自分にはちょうど弟がいて、弟はまだ小さいんですけど、自分の弟と投影するというか、他人事のようには思えなかったですね」

まだ幼い弟の存在があったという。将来は競輪選手になりたいと話す浅野さん。最後にどんな大人になりたいか聞いてみた。

浅野さん「競輪選手としてスポーツ選手として、いい結果を残したいですけど、それ以上に人助けができるというか、人の役に立てる大人になりたいです」