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金委員長 ICBM発射実験再開を示唆

2020年1月2日 1:35

北朝鮮の金正恩委員長は年末まで行われた朝鮮労働党の中央委員会総会で、核実験とICBM(=大陸間弾道ミサイル)の発射実験を再開する可能性を示唆した。

朝鮮中央テレビ「世界は遠からず、新たな戦略兵器を目撃することになるだろう」

北朝鮮メディアによると、金委員長は総会での報告でこのように述べ、こう着する非核化交渉をめぐり、アメリカを強くけん制した。アメリカの敵視政策は変わっていないと批判した上で、核実験とICBMの発射実験を中止した措置について、「我々がこれ以上、一方的に縛られている根拠はなくなった」と主張し、実験再開の可能性を示唆した。

こうした中、毎年、元日に発表されてきた金委員長の新年の演説が、今年は報じられていない。年末まで4日間にわたり、総会が開かれた影響とみられ、新年の演説に代わるかたちで総会の報告内容が詳しく示された可能性がある。

今回の会議について専門家は、アメリカをけん制しながらも対話の余地を残していると分析している。

北朝鮮情勢に詳しい慶応義塾大学・礒崎敦仁准教授「トランプ大統領を名指しで批判したり、シンガポールでの(米朝首脳会談の)共同声明を破綻させるようなことを言っていない。米朝関係自体は破綻させたくない。対話の余地は残している」

一方、アメリカのトランプ大統領は31日、非核化は金委員長が約束したことだとし、新たな挑発行為に踏み切らないよう求めた。

トランプ大統領「金委員長は非核化の文書に署名した。彼は約束を守る男だと思う」

また、金委員長との関係は「良好だ」と繰り返し強調している。