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挑発強める北朝鮮…ミサイルは?

2019年12月30日 4:34
挑発強める北朝鮮…ミサイルは?

北朝鮮は初めての米朝首脳会談を控えた2018年4月に核実験や大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験を中止すると決めた。しかし、非核化を巡るアメリカとの交渉が進展しない中、2019年の年末をアメリカが「敵視政策」を撤回する期限だと一方的に設定。

2019年5月以降13回、25発の各種弾道ミサイルを発射して揺さぶりをかけてきた。防衛省はこれらを新型の短距離弾道ミサイル3種類と、潜水艦発射型弾道ミサイルの計4種類と推定。北朝鮮が引き続きミサイル開発に力を注いでいるとの見方だ。

さらに、11月末には北朝鮮外務省当局者が安倍首相を名指しで批判。12月に入ってICBMのエンジン燃焼実験とみられる挑発を繰り返した。

河野防衛相はこうした動きに「いちいちコメントするのは適切ではない」と冷静な受け止めを示す一方、2019年末に行った自衛隊基地での訓示で北朝鮮に触れ、「差し迫った脅威だ」と強調した。年末にはミサイル発射はなかったが、強い警戒監視態勢を維持して新しい年を迎えることになった。

こうした中、陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を国内2か所に導入する計画には暗雲も漂っている。配備候補地である秋田県の新屋演習場では、調査データのミスが判明したことなどから地元の反発が強まり、「ゼロベース」での見直しを余儀なくされた。

東北地方20か所での再調査結果は2020年3月をメドにまとめられるが、政府関係者は「見直しの結果、配備計画地は新屋演習場以外もありうる」としている。

もうひとつの候補地である山口県のむつみ演習場周辺では2019年末に住民説明会を行ったが、秋田での見直しを背景に反対論もくすぶり、予定通りに配備が進むかは予断を許さない。

一方、中東では日本関係船舶の安全な航行のための自衛隊による活動が本格化する。日本からヘリ搭載型の護衛艦「たかなみ」が派遣されるほか、ソマリア沖での海賊対処を行っているP3C対潜哨戒機が新たな任務も帯びて情報収集にあたる。

今回の派遣は防衛省設置法に基づく「調査・研究」の目的で行われ、アメリカが主導する有志連合には参加しない。派遣海域もオマーン湾やアラビア海北部などの公海に限り、情勢が不安定でイランの領海を含むホルムズ海峡は除外した。「自国の船は自分で守るべき」とする同盟国アメリカと、古くからの友好国イランの、双方の顔を立てた形だ。

今回の活動では、危険に見舞われている船に遭遇した際、海上警備行動に切り替えても武力を行使するにはさまざまな制約があり、専門家からは「事実上何もできない」との指摘もある。

また、政府関係者からは「そもそも派遣海域の危険度はそれほど高くない」という声もある。そもそも自衛隊を派遣する必要はあるのかという指摘や、調査研究名目での派遣がなし崩しの活動拡大につながらないかという疑問が野党側からあがっている。通常国会ではこうした点が議論の焦点となりそうだ。