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「避妊」の手段もてない女性、世界に2億人

2019年12月10日 13:57
「避妊」の手段もてない女性、世界に2億人

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「『避妊』の手段をもてない女性、2億人」。「RICCI EVERYDAY」のCOO・仲本千津さんに聞いた。

国連人口基金のナタリア・カネム事務局長の声明によると、世界で2億人以上の女性や少女たちが、避妊を希望したり、妊娠を遅らせたりすることを希望するにもかかわらず、その手段をもっていない。サービスを受けられないでいるのは、貧しい農村部や少数民族など阻害されたコミュニティーの人々や障害がある人などだという。


――フリップをお願いします。

『知ることはパワーの源』と書きました。ウガンダの都市部においては、家族計画の考え方が広まっていて、子どもをたくさん作らないであるとか、避妊とかそういった考え方もあるんですが、やはり農村部においてはそういった知識がないがために、本当に小さな若い女性たちも妊娠してしまう、そういった現状があるんです。

特に問題なのはウガンダでは合意のもとで妊娠をするのではなく、例えばレイプの被害であるとか、そういったことが散見されたり、あとは、いったん妊娠してしまうと学校を退学しないといけなくなってしまうんです。


――勉強することが、そこで中断させられてしまう。

そうなんですよ。女性が教育を受ける機会をそこで奪われてしまうということなんですね。希望して妊娠したのであるならばまだしも、レイプだとか合意のないもとで妊娠してしまった場合でも、女性・児童だけが教育の機会を奪われてしまうっていう、そういったアンフェアな現状があります。


――どんどん置いていかれてしまうし、ウガンダでは実際に男女というのは、どちらが上とかそういう見方はあるんですか。

農村部では根強く男尊女卑の考え方はあって、例えば公の場に出てくる人も男性が多かったりですとか、家庭内でもいろんな意思決定に関しては男性が行うという状況があります。


――そこに対して女性というのは、どういう形で社会の中で生きているんでしょうか。

女性は、本当に日々の生活を支えているといいますか、農作業から家のことをやって、家事・育児も全てを女性が支えながらやっているっていう。男性は残念ながらお酒を飲んでいたり、ギャンブルしていたりという人たちが多いですね。


――NGOとかはどんな活動をしているんでしょうか。

こういったテーマにおいても、NGOでも国際機関でも、女性児童向けに知識を提供しようとコンドームを使ったり、避妊とは何なのかっていったところをトレーニングしたりですとか。あとはそれだけではなくて、男性・児童も巻き込みつつ、両親だとかコミュニティーの中心的な人たちも巻き込みながらやっていくのがすごく大事なのかなと思います。


――私たちは今、何ができると思いますか。

ここにも書かせていただいたんですが、まず知ることですね。アフリカの現状もそうなんですけれど、実は自分の身近に、こういった性にまつわる問題で苦しんでる人って実は多かったりするんじゃないかなと思います。例えば、今日、生理痛で会社に来られない女性がいるとか。そういった人たちをまず知って、その人たちに対して何ができるかっていうところを考えることが、今後行動するパワーの源になるんじゃないかなと思います。


■仲本千津さんプロフィル
ウガンダのシングルマザーなどを雇い、アフリカンプリントが施されたバッグや旅行用品の製作・販売を手がけている。大手銀行勤務を経て国際農業NGOに参加。ウガンダを訪れた際に、貧困層の女性たちの窮状を目の当たりにし、事業を立ち上げた。ウガンダの現地工房では、シングルマザーや元子ども兵など社会的に疎外された人々を雇用。女性たちの生活向上と同時に、誇りをもって製品を世界に送り出せる場を提供している。


【the SOCIAL opinionsより】