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ランニング人口900万も…悩みは「痛み」

2019年11月28日 16:04
ランニング人口900万も…悩みは「痛み」

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「ジョギング・ランニング人口、900万人超」。靴型のウエアラブルデバイス開発を手がける菊川裕也氏に聞いた。

笹川スポーツ財団の調査によると、2018年、1年間に1回以上、ジョギングやランニングを行った人は、推計で964万人にのぼっている。また、ランニングポータルサイトを運営するR-bies(アールビーズ)が、ランナーに行った調査では、ランニングシューズ購入の際の決め手となったのは、「試し履きによる自身の感覚」がいちばん多く52%、次いでブランド(40%)、価格(34%)の順となっている。


――菊川さん、この結果はいかがですか。フリップをお願いします。

『63%が痛み』と書きました。これもランナー世論調査という統計からもってきたものなんですけども、ランニングをしている63%の方が、膝とか腰とかに痛みを感じながらランニングを続けているということがわかっています。


――確かに私も1回試したんですけど痛くて、でもまた次に試して痛くて、ということを繰り返し…

そうなんですよ。ランニングって一歩一歩、体重の3倍以上の衝撃が足にかかることになるので、それこそ靴の選び方とか、走り方によってはその痛みが生じてしまうってことはあると思います。


――この場合、私たちは、この先どうしたらいいんでしょうか。

そうですね。ひとつはやっぱり適切なシューズを選んでいただくってことになると思います。確かにデザインとか価格で選ぶっていうのもいいと思うんですけど、ランニングシューズって実は初級者用とか、その走り方に合わせていろんなタイプのシューズがあって、自分のサイズはもちろんなんですが、走り方とかも含めて適切なものを選ぶっていうことが一番予防になると思います。


――この中でスマートフットウエアだからこそできることというのは何ですか?

我々はこのアプリケーションの方で、まさにそういう痛みが出にくい走り方であったり、効率の良い走り方っていうのを教えてあげるっていうことをやっているので、その中で練習をしていただいて、だんだんと負荷を減らしていくっていうことがあります。

あと、さらにやりたいなと思っているのは、これから皆さんにスマートフットウエアを使っていただくことで、走り方と出た痛みのビッグデータみたいなものを集めていくことによって、「この走り方続けると痛くなるかもしれませんよ」とか、「あなたはこの靴の方がいいかもしれませんね」といったレコメンドをAIでやっていくっていうことも実践しようとしています。


――確かに私たちって常に歩いているのに、意外と足のことを知らないなって思いますよね。

そうですね。僕もやり始めてからすごく思うんですけど、やっぱり足って、生活の上ですごくすごく重要な部分なんですけど、普段意識していない、知れば知るほど重要だなと感じています。


――そうすると生活にも良い影響を与えてくれそうですよね。

そうですね。やっぱりランナーの方ももちろんですが、全ての人が歩いているので、そういう人たちの歩行寿命といいますか、今、平均寿命はどんどんのびているのに対して、健康でいられる期間がそこまでのびていなくて――“健康じゃない時間が長くなっちゃう”みたいな研究もあるので、それの一番重要なポイントっていうのが、やっぱり歩き続けられるっていうところだと思うので、こういうテクノロジーの力を使ってみんなの歩行寿命をのばすということを実践していきたいなと思っています。


■菊川裕也氏プロフィル
スマートフットウエアと呼ばれる靴型のウエアラブルデバイス「Orphe」を開発・販売している。靴に組み込まれたセンサリング技術で足元の動きを精密に計測・解析。足の動きと連動して音や光を放つ靴は舞台演出などで新たな表現手法として話題になった。またウオーキングやランニングのデータを取得。スポーツ・健康・医療などさまざまな分野で活用可能と期待されている。

【the SOCIAL opinionsより】