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大量発生のウニ、廃棄野菜で“絶品”に変身

2019年11月19日 13:49
大量発生のウニ、廃棄野菜で“絶品”に変身

キャベツを水槽に入れるとウニがキャベツをキャッチして食べます。神奈川県水産技術センターが5年前から始めた取り組みです。みかんも食べます。

神奈川県水産技術センター・臼井主任研究員「海藻がなくなった海の害になっている生き物を駆除しましょうと、これ(ウニ)が駆除の対象だったんです」

ウニは海の海藻を食べますが、海藻の生育が追いつかず、海には身の少ないウニが大量に発生。それを回収し養殖することにしました。問題はそのエサでした。

臼井さん「いろんなものを食べさせてみたら、本当によく食べるんですね」「マグロの皮、おから、パンの耳、お弁当に入っていたおかず食べさせたら…(何でも)食べるんですよ」

三浦半島はキャベツの一大産地ですが、規格外やキズの入ったキャベツは廃棄されるという問題を抱えていました。そこで廃棄するキャベツを分けてもらい、ウニに与えると食べました。

ほとんどなかった可食部は3か月飼育すると販売できるほどに増えました。ウニの口は中央にあり、小さな歯でゆっくり食べますが、その量はキャベツ1個をウニ80匹が3日間で食べ尽くすほど結構な量。キャベツを食べたウニの味は――

臼井さん「食べてみたらおいしいんですよ。うまみ成分とかアミノ酸とかを調べてみたら、天然のウニよりも、甘味成分(グリシン)が濃いのがわかりました」

様子を見てみると、一枚のキャベツを奪い合うウニ、そんな熾烈(しれつ)な戦いの陰でひっそりとキャベツを食べるウニ、独り占めしようとするウニなど人間さながらです。

みかんも食べますが、身を太らせるためではなく、身の色を良くするために食べさせています。与えすぎるとウニがみかんの酸味を吸収して、身がすっぱいウニになってしまうそうです。

臼井さんは研究員ですがウニの飼育も担当しています。この日はウニの世話のために出勤しました。

臼井さん「ここは飼育も分析も調達からなにから、(全部)一人でやらなきゃいけないんでね」「海の中は海藻がいっぱいあれば稚魚も育つし、魚も増える。(ウニの)駆除をしていますが、とったものをさらに有効利用する考え方が“キャベツウニ”です。海藻で育てられないからじゃなくて、キャベツで育てれば利用できるものになる。それは全世界でできることだと思う」

10月末から水槽で一般公開開始。キャベツを食べるウニの姿を見ることができます。


【the SOCIAL viewより】