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台風で柵が壊れる…サル“100頭”野放し

2019年11月8日 19:11
台風で柵が壊れる…サル“100頭”野放し

千葉県の動物園で飼育されていたおよそ100頭ものニホンザルが、9月から野放しの状態になっていることがわかった。そのきっかけは、千葉県を襲った台風15号だった。

千葉県富津市の動物園。エサやりの時間にはサルの群れが猛ダッシュ。一斉にエサに群がる。じゃまをするとカメラにむかって“サルパンチ”。

every.「サルが柵をよじのぼって、越えていきます。食べ終わるとすぐに移動していきます」

しかし、しばらくすると、柵を跳び越えて山の方に逃げていき、園内に静けさが戻る。実はこの動物園は…。

every.「おりがあったというのがわからないくらい完全に倒れてしまっています」

完全に倒壊した柵。実はサルたちが壊れた柵から動物園を脱出し、現在、外で野放しになってしまっている。その数96頭!この状態が2か月前から続いているという。柵の外では…。

every.「(柵の外の)自動販売機の上にサルがいます」

なぜ、柵が倒壊してしまったのだろうか。

高宕山自然動物園、管理者「いまだかつてない風という感じですね。台風15号の影響です」

原因は2か月前、千葉県各地に甚大な被害をもたらした台風15号による暴風。この動物園の付近では、最大瞬間風速49.0メートルを記録。

周囲の柵のおよそ3分の1が倒壊してしまったという。サルのほとんどは動物園近くで生活しているようだが…。

高宕山自然動物園、管理者「周りにけっこう農家が多いんですけど、そういうところに行って畑のものとか、食べちゃうとかそういう被害が出ないか一番心配してます」

千葉県内には、推定およそ3000頭の野生のニホンザルが生息している。動物園によると、およそ100頭が増えると、エサ不足で周辺の農作物を荒らす心配があるため、エサやりを続けているという。

これまでに、逃げ出したサルによる被害報告はないというが、富津市内では、現在、住宅や道路の復旧が優先されているため、柵の修理の見通しは立っていないという。