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マラソン札幌開催、記者から見た課題

2019年11月8日 14:03
マラソン札幌開催、記者から見た課題

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「東京五輪 マラソン・競歩、札幌開催、残る課題は?」。日本テレビ社会部の杜雲翼記者に聞く。

――杜さん、260日の間に解決しなければいけないことがたくさんありますね。

そうですね。こちらに考えられる課題をあげてみました。ひとつずつ見ていきたいと思います。まず何よりも最初に決めなきゃいけないのかですね。スタート地点ゴール地点、それからコースです。スタート地点とゴール、これはですね、札幌市中心部の大通り公園をスタートとゴール地点しようということで調整が進んでいて、間もなく決定するとみられます。それからコースについては北海道マラソンという大会があるんですけれども、このコースをベースに調整が進んでいます。


――競技日程もすごく気になるんですけれども。

今こちらにあるのが、当初予定されていたマラソンと競歩の日程です。


――見てみると、結構、日にちがバラバラというか分散されているんですね。

5日間行われる予定になっているんですけれども、これを少し縮めて負担を減らそうという案があるんです。最終日の男子マラソン、閉会式ともかぶりますので前倒ししてやろうということになっています。それからマラソンとですね競歩20キロ競歩なんですけれども、それぞれ同日にできないかというようなことで案が上がっています。


――3日間ということですね。場所が変わって日程も変わるかもしれない。となるとチケットってどうなるんでしょうか。

チケットは一部もうすでに販売されているんですね。ただ、競歩に関してはそもそもチケットの販売はないのであまり気にしなくてもいいんですけれども。マラソンの販売済みのチケットに関しては、基本的には払い戻す方向です。ただ男子マラソンは男子マラソンだけなんですけれども、女子マラソンの方は他の種目と同じセッションで販売されているので、これをどう取り扱うかということがひとつ気になってくると思います。


――では、札幌でのその新しいチケットなどは、どうなるんでしょうね。

そうですね。札幌でマラソンをやる場合のチケットなんですけれども、いろいろ時間もない中なので販売しない案があがってるということなんです。沿道から皆さん、自由に応援するという形になりそうですね。


――この他にも課題はありますか。

例えばですね、宿泊の問題というのがあります。選手含めて関係者合わせて2500人、それから観光客も入れるとさらに増えますので、宿泊がきちっとできるかどうかという問題。それからマラソン大会ですので、かなり広範囲にわたる警備をしなきゃいけないので、警備体制をしっかり整えるかということも課題になってくると思います。テロの観点からコースを周回するコースという案もあります。そうすると走る距離が狭くなりますね。


――範囲が狭くなる分、警備がしやすい。

そういうことですね。


――本当にたくさんの課題があることがわかりましたが、本当に突然の変更に皆さん戸惑いが隠せないですね。

そうですね。近代オリンピック始まって以来初めてですねマラソンが実施競技の開催都市以外でですね、マラソンが行われるというのは初めてなんですね。異例の事態と言ってもいいと思います。

そこでこの言葉をオピニオンとして掲げました。「人類の調和のとれた発展」というかなり大きい言葉なんですけれども、これは何かというとですね、オリンピック憲章で定められていることなんですけれども、この人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てていくということです。

現在、開催都市以外で競技実施することができるというふうになっていますけれども、開催時期、果たしてこの7月8月で本当にいいのかどうかの点についてもドラスティックに議論をしていくことが必要なのではないかというふうに考えます。


■杜雲翼プロフィル
日本テレビ社会部記者。東日本大震災や福島第一原発事故、労働問題などの取材にあたってきた。ロンドンオリンピックを取材した経験を踏まえ、現在は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みを中心に、スポーツ団体の問題についても取材を続けている。


【the SOCIAL opinionsより】