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英議会、EU離脱協定案の採決を先送り

2019年10月20日 1:38

EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱期限が今月末に迫る中、イギリス議会は19日、新たな協定案の採決を先送りした。離脱をめぐる混乱は、いっそう先が見通せない状況となっている。

ジョンソン首相がEUと合意した協定案が、19日、可決されれば、今月末の離脱が決まり、3年以上続いた混乱に終止符が打たれるはずだった。

しかし、野党労働党議員などが採決を保留する動議を提出、可決されたため、協定案の採決は見送られた。

イギリスの法律では、議会が19日までに協定案を承認しない場合、首相はEUに対して離脱の延期を求めなければならないと定めていて、野党議員らが、この規定を利用して、離脱の延期をはかる狙いもあったとみられる。

しかし、ジョンソン首相は、延期は要請しないと断言し、あくまで協定案の議会承認に向けた手続きを進める考えを強調した。

ジョンソン首相「EUと離脱延期について交渉しない。法律もそれを強制していない」

ただ、ジョンソン首相が本当に法律の規定に従わなかった場合、裁判所が介入するなど、さらなる混乱も予想される。

また、19日、ロンドン市内では、国民投票をもう一度行うべきだとして大規模なデモも行われた。

離脱が決まるまであと一歩というところだったが、状況は再び混迷している。