30年後、日本はノーベル賞を取れるか?
世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「ノーベル化学賞 吉野彰さん」。テクノスポーツの開発に携わる「meleap」CEO・福田浩士氏に聞く。
今年のノーベル化学賞に携帯電話やパソコンなどに使われるリチウムイオン電池の生みの親として知られる旭化成名誉フェローの吉野彰さんが選ばれた。これで、日本のノーベル賞受賞者は27人となる。
ネット上では、「子どもたちに夢をもってもらえるニュース」「努力のたまものですね」「基礎研究と基礎教育に金を惜しむなかれ」などの声があがった。
――これに関して福田さんのご意見をうかがいたいと思います。フリップをお願いします。
『ビジョン+集中投資』と書きました。
――まさに、これはもう興奮とあふれんばかりの思いがあると思いますけれども。
そうですね。ノーベル賞を受賞できた、また日本人が取れてるっていう素晴らしいニュースだと思います。リチウムイオン電池、吉野さん受賞されてますけど、これまでスマートフォンとか、あとはカメラとか、パソコンもそうですね。いろんなところで活躍していて、リチウムイオン電池活躍していて、生活を変えてきたと。それは、間違いないかなと思いますし、今後も電気自動車とまた再生可能エネルギーという分野でもっともっと環境面で世界に貢献していく素晴らしい技術になるんじゃないかなと思います。
――一方で、モノ作り大国というイメージがすごくあったんですけれども、どうでしょう、最近とか。
そうですね。ノーベル賞って、僕もいろいろ見てみたんですけど、受賞するのって、25年から30年ぐらい前の成果を受賞されてるっていうケースが多いんですよね。
――今回も1980年代のね。
当初、日本ってやっぱり論文数とかいろんな研究を世界の他の国と比べても頑張ってたんですけど、今どうなのかっていうことを考えるときに、相対的にやっぱり国力が下がってきていて、例えば中国なんかよりも論文数とか、論文の質も落ちてきていると。
その中で、例えば30年後、またノーベル賞をどれだけ取れるかっていうと結構、微妙な感じになってきているじゃないかなと思っています。なので、今の研究開発体制っていうのを見直していかないといけないかなっていうのを、結構、危機感をもって感じていまして。
――見直すということでこの集中投資ということなんでしょうか。
はい。日本にお金ないのはわかっていますと。いろんなところにたくさんお金、投資できないのはしょうがない。であれば、どこを攻めるか、そこを選択して、そこに一点突破、集中して投資していくっていうのは必要なんじゃないかというふうに思っております。どこに投資するかを決める際に大事なのがビジョン。どういう世界を作るのか、何を世界に価値をもたらすのか。それを決めてそこに、ぱっと人とお金を投資していくのが大事かなというふうに思ってますね。
――例えば福田さんであったらどんなビジョンを描いていますか。
そうですね。いま、かめはめ波を撃つっていうことをやっていますけど、他にもですね、舞空術をやりたいとか、あとラピュタとかジュラシックパーク好きなんですよ。そういった世界感を実現できるっていうようなテーマを掲げて、世界中の人たちを集めたら面白いんじゃないかと。ちょっと思ったんですけど。ラピュタあるじゃないですか。天空の城ですよね。それとジュラシックパーク掛け合わせたら、空に浮かんでいる街で恐竜が住んでるね、そこって現実世界とはちょっと違うんですけど、空飛んで訪れたら、全然今と違う古代の風景広がっていたりという。
――そこが、ひとつのワンダーランドのテーマパークにいざなわれるようなね、そういう世界を作っていける。それをまた研究という形にしていくとまた新しい世界が作れそうですよね。
そうですね。なので、世界が誰もが共感するようなビジョンをもとに、人だとか資金をあつめて、50年後、80年後の未来を一緒に作っていく。そういった動きが重要なんじゃないかなというふうに思っております。
――福田さんのようなお話でやっぱり子供たちもいろんな夢を持つじゃないですか。そういうものを実際に形にしている。
大人は、夢を忘れちゃいけないんですよ。もっとワクワクして、大胆に世界を作っていく。そういった場所が必要だなと思ってます。
■福田浩士氏プロフィル
ARを活用した新感覚のテクノスポーツ「HADO」を開発。子どもの頃に「かめはめ波」を撃つのが夢だった福田氏。それを実現するため2014年に創業した。現在26か国で店舗を展開。「HADO WORLD CUP」を開催するなど、新たなスポーツ市場を作り出すことを目指している。
【the SOCIAL opinionsより】