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就任直後の訪米 小泉環境相“発信力”は?

2019年9月26日 18:01
就任直後の訪米 小泉環境相“発信力”は?

大臣就任からわずか10日でアメリカのニューヨークを訪問し、外交に臨んだ小泉進次郎環境相。留学経験を生かし、英語でスピーチも行ったが、発信力を示せたのだろうか。

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笑顔で学生らと会話する小泉環境相。大学院時代に学んだ母校・コロンビア大学を訪れ、懇談で次のように話した。

小泉環境相「本当にもう、死にものぐるいで、脳みそから汗が出るほど勉強したのが、このコロンビアの滞在期間でした」「でも、あの時の経験があるから、今、頑張れています」

そして、環境相としての意気込みを語るシーンも。

小泉環境相「僕は(環境)大臣としてやりたいことの一つは、日本の中での気候変動に対する意識を高めていきたい」

かつて生活していたニューヨーク。滞在していたホテルから国連まで徒歩で移動することも。ふらりと立ち寄ったピザ店では、懐かしの味を堪能した。

小泉環境相「(Q.ピザはどうでしたか?)やっぱりニューヨークの味だね。アメリカはピザだね。ペパロニがおいしかった」

そしてこの後、環境相として初の大舞台に立った。

小泉環境相「日本は1997年に京都議定書を採択したが、以来、リーダーシップに欠けていた。しかし、きょうからは違います。(地球の)脱炭素化に、一緒に取り組みましょう」

就任早々に参加した国連の環境イベント。そのスピーチの場で、今後、日本が率先して地球の温暖化対策に取り組んでいくことを宣言した。

これまで、世界の先進的な温暖化対策から後れをとる日本。温暖化の原因となる、二酸化炭素などの排出量は、世界で5番目に多いものの、具体的な削減案は示しきれていない。翌日、国連の外では、石炭を使った発電を続ける日本に対し、抗議活動が行われるなど、世界からも厳しい目が向けられていた。

手腕が問われた外交デビュー戦。しかし、海外メディアに温暖化の原因とされる「石炭火力発電」について問われると…。

小泉環境相「削減です。(Q.どうやって?)……(約6秒間の沈黙)。先週就任したばかりだ」「(環境省だけでなく)政府として私たちは削減を表明している」

さらには、こんな発言も注目された。

小泉環境相「気候変動のような大問題は、楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」

理解しにくいこの発言の真意について記者に問われると…。

小泉環境相「それをどういう意味かというふうに説明すること自体がセクシーじゃないよね」「やぼな説明はいらないですね」

様々な発言が注目される中、小泉環境相は26日、すべての外交日程を終えた。改めて批判を集めている石炭火力の削減方針を聞くと…。

小泉環境相「(Q.何年までに何基減らすとか、具体的な案は?)これから考えて行きたいと思います」

具体的な削減案の発信には至らなかった。海外メディアは「リーダーシップをとりたいとの発言をするも、具体策は示していない」と指摘。しかし、同行した環境省の職員からは「就任10日目で具体策を示すのは酷だと思う」という声も聞かれた。

地球温暖化対策で世界から注視される日本の対応。どう解決していくのか、小泉環境相の手腕が問われている。