×

日産社長“辞意”舞台裏に内部の激しい攻防

2019年9月9日 18:59
日産社長“辞意”舞台裏に内部の激しい攻防

日産の西川社長が、不当報酬問題などを受け辞任する方向で調整していることがわかった。この辞任の方針をめぐっては、さまざまな攻防があったという。その舞台裏とは──

◆“退任の意向”報道に明言避ける

9日朝──

日産自動車 西川廣人社長「(Q:退任の意向を示されたということですが)何なんだろうね、僕びっくりしたんだけど」

辞任の意向を周囲に伝えたとの報道について問われると、「何なんだろうね」と明言を避けた日産の西川社長。

日産自動車 西川廣人社長「辞任というかね、元々次の世代に引き継ぐということは想定して色々なことをやっているので、それ以外はないです」

一体、何があったのか…日本テレビの取材で、今、日産で激しい攻防が起きていることがわかった。

◆日産で激しい攻防

ゴーン体制が崩壊してから、立て直しを図っている日産自動車。しかし、今年4月~6月の営業利益が98.5%減(※前年同期比)と業績が低迷している。

そんな中、先週、社内調査で西川社長自身も不当に数千万円も多く報酬を受け取っていたことが判明。ガバナンス改革を進める中、一部の社外取締役は、西川社長に早期の退任を迫ったという。

しかし、西川社長は報酬の水増しについて「知らなかった」と主張。さらに、西川社長は「報酬体系はゴーン体制の名残」として、「不正をただすように報酬委員会に頼んだのは自分」だと強調していた。

関係者によると、当初、西川社長は続投しようとしていたが、一部の役員が“長引くと社内の士気が低下する。一日も早く信頼回復したい”などと辞任を説得。これに西川社長は一時、抵抗を見せたという。

──思い切って若返りを図り次につなげたいが、それを阻止して自分たちだけでやりたい役員がいる。

関係者によると、8日までに周囲に辞任を受け入れる意向を示したという。

◆辞任受け入れるも…不満漏らす?

ただ、西川社長は9日も周囲に不満を漏らしていたという。

──ゴーン体制の名残だ。
──不正をした人間が自分たちの行為を隠すために役員を巻き込んだ。

9日午後の取締役会では、報酬問題と今後の人事が話し合われたとみられる。日産は「負の遺産」を断ち切り、立て直しを図ることができるのだろうか。