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イランの低濃縮ウラン“合意”上限2割超に

2019年8月31日 15:53

IAEA(=国際原子力機関)は30日、イランの低濃縮ウランの貯蔵量が、ヨーロッパ諸国などと結んだ「核合意」で定めた上限をおよそ2割上回ったとする報告書をまとめた。アメリカの専門機関は、「核爆弾を完成させるまでの時間が短縮された」と分析している。

イランは核合意を巡り、約束されたはずの経済的見返りが与えられていないとして、段階的に合意の実施を一部停止してきた。

IAEAが30日に発表した報告書では、濃縮ウランの貯蔵量が合意で定められた上限をおよそ2割超えており、濃縮度も4.5%と上限を超えているとしている。その上で完全な合意実施をイランに求めた。

アメリカのシンクタンクは、「イランが核爆弾を完成するまでの時間が半月分早まった」と分析している。

一方、IAEAのイラン大使は、実施の一部停止は、核合意で認められた措置であることから、「IAEAの報告書は、イランが合意を遵守している事を示した」とコメントした。

イランは、経済的な見返りが提供されない状況が続けば、来月上旬、実施の停止範囲をさらに広げるとしていて、予断を許さない状況が続きそうだ。