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“故郷・香港の自由守る”留学生の思い

2019年7月27日 18:15

香港では「逃亡犯条例」改正案の撤回を求め、1か月以上、デモが続いている。香港で生まれ、日本に留学しながら故郷の自由を守るため活動する若者の思いを取材した。

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香港で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐる抗議が続いている。26日は空港にもデモ隊数千人が集まる異例の事態に。抗議が収まる兆しは見えない。

大規模デモが始まった先月、都内の明治大学で講演していたのは周庭さん(22)。

周庭さん「香港人にとって非常に危ない、非常に危険な改正案となります」

民主化運動で注目され、「民主の女神」とも呼ばれた大学生の周さん。改正案反対の声を届けるため、来日していた。

講演終了後、香港の若者数十人が周さんとともに改正案反対を訴えた。その熱気の中にいたのは何嘉軒さん(20)。ふるさとの香港から離れ、東京・八王子にある大学で観光経営を学んでいる。自宅を訪ねると…

何さん「ここは私の部屋です」

幼い頃から日本のアニメや漫画に親しんできた香港の普通の若者。気になるのは、香港の自由を守るための闘い。

何さん「(現地で)一緒に参加できないが、海外の皆さんに伝えて、私も私の役割があって、その使命、責任を尽くす」

香港の現状を知ってもらうため、大学で日本人向けに特別授業も行ったが、約50人が入る教室に集まったのは20人程。

何さん「ちょっと効率悪すぎじゃないか、でもできる範囲で何でもやってみようかなと」

しかし、何さんの地道な情報発信は、少しずつ周りに変化を起こしていた。

この日、友人との夕食会を開いた何さん。話題は今の日本にも広がる。

何さん「大学の(日本人の)知り合いも政治に全然興味持ってないし、(香港市民が持たない)いい政府を選ぶ権利があるから、絶対にそれを運用してほしい」

日本人の友人も、何さんの話を聞き、影響を受けたと言う。

日本人学生(19)「(香港について)私たちも全く知らなかったんですけど、私自身も興味を持てたので」「もし自分が香港の人だったら(日本のような)選挙もできないかと思うと、(投票で)思うものはありましたね」

中国本土出身の友人も何さんの行動を支持している。

中国人学生「(中国政府は)『人民は何も見えなくていい』と思っている。中国の大陸人と香港の人は敵じゃない」

香港のデモをきっかけに、自分たちの国や地域の問題を見つめ直した若者たち。何さんは、改正案の完全撤回まで、声を上げ続けたいと話している。