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本当に離脱?“英国のトランプ”人物像とは

2019年7月24日 17:29

イギリスの新しい首相に、EU(=ヨーロッパ連合)からの「強硬離脱派」であるボリス・ジョンソン前外相が選ばれた。“イギリスのトランプ”と言われるジョンソン氏について、日本テレビ・前ロンドン支局長の亀甲博行・国際部デスクに聞く。

◆ジョンソン氏とは、どんな人物?

――ひと言で言うと、「相当にキャラの濃い人物」です。元々、ロンドン市長として有名になったのですが、非常にサービス精神が旺盛な人物。たとえば、カメラの前で宙づりになってみたり、ラフな姿で自転車通勤をしたり、あるいは視察に行くと大きな魚を手に持ったり、首にソーセージをかけたりするなど、メイ首相とは真逆で、とにかくパフォーマンスが派手です。

――通常、政治家はメイ首相やキャメロン前首相など名字で呼ばれますが、ジョンソン氏は「ボリス」とファーストネームで呼ばれ親しまれています。一方で「失言王」とも言われ、これまでにも人種や宗教などに関わる数々の失言を繰り返しています。ただ、そのような失言があってもロンドン市民たちは口々に「ボリスだからね」というひと言で片付けてしまうなど、何とも言えない人柄の持ち主です。

◆政策的にはどんな人物?

――ジョンソン氏はEUからの「強硬離脱派」とされています。しかし、過去にはEUに残留してもいいようなことを話すなど、発言が揺れることがあります。筋金入りの離脱派というよりは、ポピュリスト=大衆に迎合するという印象が強いため、今後、本当に方針を変えないのか、まだまだ未知数な部分が大きいです。

――また、そもそもジョンソン氏の保守党は単独では議会の過半数に達していないので、ジョンソン氏が何かやりたいと言っても議会がOKしなければ何もできません。新しい首相が誕生しても、しばらくイギリスは先が見通せない状況が続きそうです。