イギリスではＥＵ（＝ヨーロッパ連合）からの離脱を巡る混乱の責任を取って辞任したメイ首相の後任がまもなく決まる。

保守党員の投票により行われる党首選は、ジョンソン前外相とハント外相が争う構図。最新の世論調査によれば、独特の言動で高い知名度を誇るジョンソン氏がハント氏を圧倒している。そのためイギリス国民の関心は、すでにジョンソン氏の首相就任を前提に、１０月末に期限を迎えるＥＵからの離脱問題に移っている。

ジョンソン氏は選挙戦で社会に大きな混乱を招く「合意なき離脱」も辞さないと繰り返した。

ジョンソン氏「１０月３１日に合意なき離脱をすることに備えることが重要だ」

一方、イギリス議会も経済界も合意なき離脱には反対の立場。ジョンソン氏がこうした声を振り切って「公約」を貫くのか、あるいは譲歩するのか、首相が交代してもＥＵからの離脱を巡り先の見通せない状況がしばらく続きそうだ。