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“空前ブーム”の裏で…タピオカ不足に悲鳴

2019年7月17日 19:41
“空前ブーム”の裏で…タピオカ不足に悲鳴

空前のブームとなっているタピオカ。あまりの人気に、一部の店では、タピオカが手に入らず販売できない状態に。さらに、値上げの動きも出始めている。販売、生産の現場はいま──。

◆人気絶頂のタピオカ…販売する店に通知が

東京・新橋で本格的な台湾料理がいただける『台湾麺線』。ランチタイムに多くの人が注文していたのが、ブームの発祥が台湾とされる、ミルクティーなどタピオカを使ったメニューだ。

幅広い世代に愛されるタピオカ。しかし、人気絶頂の最中…

『台湾麺線』林千笑店長「仕入れ値が1割上がると通知が(卸業者から)来たので、突然お手紙で」

こちらの店には、突如、卸業者から値段を上がると通知が届いたという。

『台湾麺線』林千笑店長「もしかしたら(商品の)値上げの可能性があります」

さらに別の店では、タピオカが売り場から消えてしまう状況も。

◆生産現場で“残り1袋”深刻な事態に

空前の人気のタピオカに、今、品不足というピンチがじわじわと迫っている。その生産の現場を訪ねると、ある深刻な事態に頭を悩ませていた。

そもそもこのタピオカ。キャッサバという芋から作られる真っ白なでんぷんを、カラメルにつけることで黒く色づけ、釜に入れ回転させながら少しずつ水分を加えると、だんだん粉がまとまり、作業開始から約6時間後には直径1センチほどの大きさの粒になる。あとはお湯で30分ほどゆで、ガムシロップに付け込めば、おなじみのタピオカの完成だ。

4月頃から注文が一気に増えてきたというこの工場。17日、改めて現状を聞いてみると…

京丹後タピオカ製造工場 木崎広海さん「どんどんどんどん今(注文が)急激に増えて、去年の10倍。粉がなくなってしまいました」

夏を前に注文が殺到し、商品の在庫が17日時点で残り1袋という状況に。原料の粉の値段も以前に比べ倍ほどになっているという。

◆在庫ゼロで“苦肉の策”も

急激に高まった人気ゆえに品薄の傾向にあるというタピオカ。影響は広がりを見せている。業務用の商品を扱うこちらのお店では…

『メトロ』千葉店・商品本部バイヤー 斎藤涼子さん「(Q:タピオカはどのあたりに?)もともとこちらに積んでありましたが、まったく入ってこない」

冷凍のタピオカを売り場に置き好評だったが、5月の連休明け頃からプッツリと入荷が途切れ、在庫がゼロの状態が続いているという。そのため“苦肉の策”として…

『メトロ』千葉店・商品本部バイヤー 斎藤涼子さん「“タピオカ風こんにゃく”というのがあります」

タピオカに似たこんにゃくを代用品として販売しているが、タピオカが入荷するメドはいまだ立っていないという。

『メトロ』千葉店・商品本部バイヤー 斎藤涼子さん「(タピオカは)あればあるだけ売れるのになと残念な気持ちです」

“ブームの裏”でジワリと広がるタピオカ不足。今後、影響がどこまで及ぶか心配される。