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英・次期首相有力候補“失言王”無言のワケ

2019年6月21日 19:50

イギリスの「次の首相」選びで、ジョンソン前外相が決選投票に進んだ。過激な言動からイギリスのトランプとも呼ばれるジョンソン氏。その人物像に迫った。

◆メイ首相が辞意表明、後任選びでジョンソン氏が1位に

先月、イギリスのメイ首相が、涙で辞意を表明した。

その後任選びで最有力なのが、“ボリス・ジョンソン前外相”。20日、候補者を2人に絞りこむ保守党の党首選(5回目の投票)で、1位がジョンソン前外相の160票、2位がハント外相で77票とライバルの倍以上の票を獲得した。

EU(=ヨーロッパ連合)からの離脱を訴える勢力の「顔」であるジョンソン氏。

ジョンソン前外相「誰も合意なき離脱を望んでいるわけではない。しかし、それに備えておくことが非常に重要だ」

その言動から“イギリスのトランプ”と呼ばれることもある。

◆“イギリスのトランプ”素顔は?愛車は日本製

ワイヤで宙づりになってみたり、子どもたち相手に本気でラグビー…。勢いあまって激しく接触してしまった。自宅前では問題発言を追及する報道陣に、質問に答える代わりに紅茶をサービスしたことも。

ジョンソン前外相「何も言えることがないから、みんなに紅茶をあげよう」

どこか憎めないそのキャラクターから、イギリスの政界ではカリスマ的な人気を誇る。

いったいどんな人物なのか。NNNは彼の自宅を訪ねた。

止めてあった日本製の車は、ジョンソン氏の愛車だ。よく見てみると、へこんでさび付いてしまっているところも…。イギリスメディアによると、市場価値は日本円でわずか7万円ほど。次期首相候補の車としてはかなり質素だが、長年乗り続けているという。

◆ジョンソン氏が“イメチェン”!? 狙いは…

そのジョンソン氏、実は今回の選挙戦でイメチェンを図っている。かつてはボサボサの髪がトレードマークだったが、今回はこざっぱりした髪形に。さらに饒舌(じょうぜつ)が売りだったハズが、どういうわけかメディアの前で話さなくなった。

地元記者「彼を何年も取材してきたけど、これは普通じゃないよ」

イメチェンの裏には、“ある戦略”が隠されていた。

──ボリス・ジョンソンがヘマをしないよう、選挙チームは手綱をしめている。(英紙『デイリーミラー』、10日付)

ジョンソン氏が余計なことを言わないよう、“だんまり作戦”を決め込んでいるという。

人気はピカイチな一方で、「失言王」としても知られるジョンソン氏。失点さえしなければ首相になれると踏んでいる。

果たしてイメチェンは勝利につながるのか。イギリスの「次の首相」は来月下旬には決定する見通し。