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思惑は? 14年ぶり中国最高指導者が北へ

2019年6月20日 12:57

中国の習近平国家主席が主席就任後初めての北朝鮮訪問のため平壌に到着した。このタイミングでの訪朝にはどんな思惑があるのだろうか。北京から横島大輔記者が伝える。

訪問時期を探ってきた習主席。効果を最大に発揮できるのが、米中首脳会談直前のタイミングだと判断したとみられる。

習主席は日本時間20日午前10時頃に専用機で北京を出発し、中国メディアも速報で伝えた。北朝鮮側も国営メディアが20日朝の一面で習主席の顔写真とプロフィルを掲載し、「中朝の絆が世界に示される」と歓迎ムードを盛り上げている。

注目の金正恩委員長との首脳会談では、アメリカの一方的な非核化要求に不満を持つ金委員長に配慮を示し、体制の保証や制裁の緩和に理解を示すとみられる。

ただ、最も重点を置きたいのが、トランプ大統領をにらんだメッセージ。非核化を後押しできるキープレーヤーとしての中国の存在感だ。来週、大阪で開かれる米中首脳会談では、貿易摩擦や新たに浮上した香港の人権問題など対立が深まるテーマがめじろ押し。習主席は、直前の北朝鮮訪問の成果を米中首脳会談の議題にのせ、対立局面を打開したい狙いがあるとみられる。