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中東“一触即発”安倍首相に白羽の矢…なぜ

2019年6月12日 18:35
中東“一触即発”安倍首相に白羽の矢…なぜ

安倍首相がイランを訪問するため、12日、羽田空港を出発した。アメリカとイランが対立する中、中東地域の緊張緩和に貢献できるかが焦点となっている。このニュースについて、政治部・清田大輝記者が解説する。

■安倍首相、イラン訪問の目的は?
一言で言うと、「中東の緊張緩和」です。いま、中東はアメリカとイランの対立で「一触即発」の状況にあります。日本は、原油輸入の8割以上を中東に依存しているため、中東が不安定になれば日本国内でも原油が高騰するかもしれないのです。

■どうしてアメリカとイランが一触即発の状況に?
アメリカは去年、イランの核開発を制限するイラン核合意から「規制が不十分だ」などとして離脱し、イラン産原油の全面輸入禁止など制裁を強化しました。さらに、アメリカは「イランから攻撃を受ける可能性がある」として、中東に空母や爆撃機を派遣するなど緊張が非常に高まっているのです。

■では、どうして日本に白羽の矢が立った?
日本はアメリカともイランとも、よい関係を築いているからです。まず、アメリカとは、緊密な同盟関係があります。そして、イランとは伝統的な友好関係にあるのです。

1983年には安倍首相の父親の安倍晋太郎外相がイランを訪問して、イラン・イラク戦争の停戦を呼びかけています。安倍首相も秘書官として同行していました。

今回、安倍首相は、ハメネイ師やロウハニ大統領と直接会って、国際社会の考えを伝えつつ、イランが何を考えているのかを聞くことになります。

■緊張緩和は期待できそう?
簡単ではありません。外務省幹部は、「まずは意思の疎通を図る。ただちに目に見える成果が出るわけではない」と予防線をはっています。たとえ1回の会談で目覚ましい結果を出せないとしても、緊張緩和に向け、どれだけ道筋をつけることができるのか、安倍首相の手腕が問われます。